兵士への慢性的な食糧不足が続く中、北朝鮮軍が厳寒期の高強度訓練を強行しており、疲労困憊して倒れる兵士が相次いでいるとの情報が伝えられている。
江原道のデイリーNK内部情報筋によると、「兵士たちは日常的に空腹を抱えて生活しており、訓練期間中に一時的に食事量や質が改善されることはあっても、根本的な栄養不足は解消されていない」という。情報筋は「十分に食べさせてもいない兵士を高強度訓練に追い込むのは、明らかに無理がある」と指摘した。
こうした状況の中、北朝鮮軍は昨年12月1日から定例の冬季訓練に入っており、厳寒期にもかかわらず武装強行軍などの過酷な訓練が続けられている。平康郡に駐屯する第5軍団所属部隊では、毎週土曜日に「土曜武装強行軍」訓練が実施されているという。
武装強行軍訓練は、兵士の体力鍛錬と戦闘持続能力の強化を目的として、毎年の冬季訓練で必須とされている。今月に入ってからは、第5軍団傘下の部隊で毎週同訓練が行われ、兵士たちは武器類を含む約20キログラムの装備を背負い、10キロに及ぶ山岳地帯を走破することを求められているとされる。
(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為)
しかし、栄養不足と疲労が蓄積した状態で高強度訓練が繰り返される中、体力の限界に達して倒れる兵士が相次いでいる。情報筋は「武装強行軍は体が弱ければ完走が難しい訓練だ。重い装備を背負って走るため、耐えきれずに倒れる兵士が毎週のように出ている」と語った。
それにもかかわらず、指揮官らは倒れた兵士を「精神力不足」だとして厳しく叱責し、「この程度の訓練にも耐えられなければ、戦争に出れば十回以上は死んでいる」「戦争に参加しているつもりで走れ」「精神力さえ強ければできないことはない」などと精神論で追い立てているという。
情報筋は「戦場で戦う兵士の体力と精神力を養うという名分を掲げているが、実際には兵士一人ひとりの健康状態をまったく考慮していない」と批判し、「無理を重ねた結果、病院に入院せざるを得ないケースも少なくない。本当にこれが体力鍛錬や精神教育になるのか疑問だ」と述べた。
他の軍団でも状況は同様だ。両江道・甲山郡に駐屯する第10軍団傘下部隊でも、毎週武装強行軍訓練が行われており、過酷な訓練に耐えきれず倒れる兵士が続出しているとされる。
両江道の別の情報筋は、「防毒マスクを着用して行軍する区間があり、その区間で多くの兵士が倒れる」とし、「本来であれば直ちに医療措置を取るべきだが、軍官たちは仮病だと決めつけ、罵声を浴びせ、足で蹴ることさえある」と証言した。
さらに同情報筋は、「今年は訓練中に倒れる兵士が特に多い」と指摘し、その背景として、慢性的な栄養不足に加え、各種動員の多発による疲労の蓄積と体力低下を挙げた。「兵士たちはあちこちの工事現場へ頻繁に動員されている。十分な休養も与えられないまま、すぐに高強度訓練に投入されるため、持ちこたえられないのだ」と語っている。
