北朝鮮の首都・平壌市で先月下旬、国家が配分した住宅(マンション)を違法に転売したとして、女性住民3人に対する公開糾弾集会と公開裁判が実施されていたことが分かった。複数の関係者によると、事件は年末を控えた当局による「見せしめ的措置」として、厳しく扱われたという。

平壌市の情報筋が15日、デイリーNKに明らかにしたところによると、対象となったのは平壌市・楽浪区域に住む女性3人で、国家から配分されて1年にも満たない新築マンションを、いわゆる「上乗せ金」を付けて闇取引していた。公開糾弾・裁判は先月21日、楽浪区域内の空き地で行われ、市および区域の安全部が合同で主催した。

当日は、市・区域の党および人民委員会幹部、洞事務所職員、人民班長、朝鮮社会主義女性同盟(女盟)員らが多数動員され、集会は約3時間に及んだ。問題となった女性たちは正柏1洞と土城2洞の住民で、長年にわたり住宅の闇ブローカーとして活動してきたとされる。

公開裁判では、①住宅利用許可証の偽造、②偽造文書の流通・販売、③偽造された公印を押して正規の居住資格があるかのように装った行為などが具体的に糾弾された。執行側は、2025年6月に配分された新居をわずか6か月で転売対象にした点を重大視し、3人がそれぞれ担った役割を詳細に暴露したという。

判決は、主犯格に労働教化(懲役)刑6年、仲介役に5年、補助的役割を果たした女性に3年とされた。環境が劣悪で食糧事情も悪く、あらゆる人権侵害が横行する北朝鮮の刑務所で生き延びるのは至難の業だ。数年もの懲役刑は、実質的に「遅効性の処刑」と言えるものだ。

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

当局者は「住宅関連文書と公印は国家制度と権威の象徴だ。これを金儲けに使う行為は根絶する」と強調し、2026年以降は同様の事案を即座に公開処理し、重刑を科すと警告した。

一方、集会に参加した住民の間からは「実際に文書を作成したのは別にいるのではないか」「黒幕である人民委員会の関係者は処罰されず、女性だけが責任を負わされた」との不満も漏れている。情報筋は「住宅取引は住民だけでは成立せず、当局内部の協力が不可欠だとの見方が強い」と指摘している。