2025年は、北朝鮮が第8回党大会で掲げた国家経済発展5カ年計画の最終年だった。金正恩国務委員長は同年12月、党中央委員会総会で「計画は完遂された」と成果を誇示したが、その自己評価とは裏腹に、住民生活はむしろ追い詰められている。新年に入っても国営メディアは地方工業工場の竣工や農村住宅への入居を華々しく報じるが、チャンマダン(市場)を生活基盤とする住民の実感は全く異なる。

韓国デイリーNKが取材した両江道や咸鏡道の住民たちは、2025年を「史上最悪の一年」と振り返る。市場物価は過去最高水準まで高騰し、多くの世帯が再び「苦難の行軍」を強いられたという。

60代の両江道の住民は、1990年代を生き抜いた経験を踏まえた上で、「当時よりも今の方が苦しい。涙も枯れて出てこないほど疲れ切った」と語る。国営商店の拡大で市場商売は締め付けられ、米価は高騰。雑穀のお粥すら満足に食べられない日々が続いている。

30代の咸鏡北道の住民は、社会の分断が一層鮮明になったと指摘する。裕福層は派手な生活を送り、貧困層は空腹を抱えたまま耐える。

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一方、テレビに映る平壌や農村は「外国のようにきらびやか」で、住民は皆幸せそうだ。しかし、それが演出であることを人々はよく知っている。数年前まで成り立っていた市場商売も、今では多額の元手がなければ続けられず、「貧しい人はますます貧しくなる」構造が固定化している。

50代の咸鏡南道の住民は、工業製品の商売を諦め、野菜商いに転じたものの赤字続きだという。家族がかろうじて配給を受けられる職に就いているため耐えられたが、そうした支えのない世帯は「目を背けたくなるほど悲惨」だと明かす。将来への展望は見えず、昨年は占い師にすがるほど追い詰められた。

彼らが特に痛感しているのは、外部に頼る道が閉ざされたことだ。かつての「苦難の行軍」期には、南北関係の中で支援物資が入り、食糧を比較的安く手に入れる余地があった。だが今は韓国を「敵対国」と位置づけ、統一も否定する路線の下で、期待できる先が見当たらない。「自力更生」は本当に人民のためなのかという疑問が、住民の間で静かに広がっている。

それでも新年に託す願いは切実だ。せめて一日三食を心配せずに食べられること、嘘ではなく心から笑えること、そして「愛国」を求める前に、生きる土台を整えてほしいという訴えである。5カ年計画の「完遂」を高らかに宣言した体制の足元で、涙も枯れた人々が絶望の淵をさまよっている現実は、いまや隠しようのない断末魔の様相を帯びている。