先月下旬、北朝鮮の両江道三池淵市でホテル5カ所が相次いで竣工したとの知らせが伝えられて以降、今春に卒業を控えた高級中学校(日本の高校に相当)の生徒の間で、商業大学や商業専門学校への進学を希望する傾向が強まっているという。

複数のデイリーNK現地情報筋が8日までに伝えたところによると、卒業を控えた道内の高級中学校の生徒の間では、商業大学を第一志望の進学先に挙げる雰囲気が一段と鮮明になっている。大学進学が難しい場合でも、次善の策として各地域にある商業専門学校に進もうとする生徒が目立って増えているという。

こうした背景には、金正恩国務委員長が先に三池淵観光地区に建設されたイカルホテルやミリョンホテルの竣工式に出席し、観光産業活性化への意欲を示したことで、今後、観光およびサービス分野が国家レベルで重点的に育成される商業分野になるとの認識が、住民社会に急速に広がっていることがある。

実際、 新義州市をはじめ、龍川・塩州・碧峴郡一帯で大学進学を希望する卒業生のうち、10人中6人ほどが商業大学を第一志望に挙げるほどで、今年の商業大学進学競争は例年になく激しくなるとの見方が出ている。

また、競争に敗れて商業大学に進めず、農業大学や師範大学に行くくらいなら、むしろ商業専門学校に進学した方がよいのではないかと悩むケースもあるほど、商業分野への関心が高い生徒が多いとされる。

とりわけ、こうした傾向は女子生徒の間で顕著であり、商業分野に従事する女性の比率が比較的高いという社会的特性が影響しているとみられる。

商業大学への進学を希望する生徒の多くは、ホテル管理、料理、商品陳列および販売などを専攻したいと考えているという。観光地を中心に宿泊施設、利便・奉仕施設、給養・サービス施設が拡大する可能性が高まる中、これらの施設における人材需要も増えるとの期待が反映された結果と解釈される。

国家の観光産業活性化戦略により、関連サービス業が将来有望な市場として浮上し、それに歩調を合わせた進路選択や進学の動きが、より一層はっきりと表れているという。

情報筋は「以前は商売など個人稼ぎで生計を立てることが最善の生きる道と考えられていたが、最近は観光やサービス分野で活用できる資格証や、商業大学・商業専門学校の卒業証を持つことが、将来の生活に有利だという認識が広がっている」と語った。

さらに「地域差はあるが、新義州市では卒業を控えた女子生徒の70%が、観光地のサービス施設で奉仕員として働きたいという希望を示している」とし、「国家の政策方向が観光産業の発展にある以上、今後この分野の競争率はさらに高まると予想される」と述べた。

一方、北朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は先月23日、三池淵観光地区に建設されたイカル、ミリョン、ソベクス、ジョンボン、ボンナムの各ホテル計5カ所の竣工式が、20日と21日にそれぞれ行われたと報じた。

同紙は関連報道で、「金正恩同志は、観光名所に現代文明の実体を大規模に打ち立てること自体が、わが人民の高まりゆく理想と国家の発展潜在力を明確に証明するものになると述べ、三池淵市を国の観光文化を代表する革新的な文明都市へと、より立派に変貌させていく揺るぎない意志を表明した」と伝えた。