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北朝鮮が人道支援に対するモニタリングの拡大の要請に難色を示し、世界食糧計画(WFP)の対北食糧支援が6月から中断する危機に直面している。

WFPバンコク事務所のポール・リスリー(Paul Risley)代弁人が9日、デイリーNKとの電話インタビューで、“最近行われている対北救護復旧事業(PRRO)プログラムは6月に中断する”と述べ、“支援を続けるためには透明なモニタリングと、現場の要員の自由な活動に対する北朝鮮政府の決断が必要だ”と明らかにした。

また、“透明性が確保されなければ、国際社会の支援をもらうことができないため、(透明性は)人道主義支援において決定的な問題”と言い、“この部分について北朝鮮ほど困難が大きな国はないだろう”と指摘した。

更に、“最も必要とする人々に食糧が分配されることができるようにし、彼らに食糧が分配されたのか、確認することも重要だ”と述べ、“人道的食糧支援のレベルを決める際に、北朝鮮の子供たちの現況を調査する必要があり、北朝鮮政府に協力を要求した”と説明した。

今年の北朝鮮の食糧事情については、“去年の夏の洪水の被害で、穀物の収穫高が減少すると予想される”と述べ、“北朝鮮政府は去年よりも多くの国家予算を、食糧を購入するために使わなければならない”と語った。

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リスリー代弁人は一方で、“もちろん、6ヶ国協議の進行の程度が、寄付をする国々がどの水準の支援をするのかを決めるのに、とても重要だと思う”と述べつつも、“かなり多くの妊婦と子供が栄養失調で苦しんでいる状況で、人道主義的食糧援助が続かなければならないということは明らかだ”と強調した。

[次はインタビューの全文]

- 北朝鮮政府が透明性の確保のためのWFPの要請に協力しないと聞いている。具体的に、北朝鮮側にどのような要求をして、北朝鮮がどの部門について難色を示しているのか説明してほしい。

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WFPに寄付する国々は、人道主義的食糧支援と関連し、去年の夏の水害の支援に引き続き、妊婦と子供を助けるプログラムを推進し続けるだろう。現在、私たちは食糧を支援できる人員と地域を増やすことができるよう要求しており、百万トン以上の食糧を今月中に提供することを願っている。これは2002年以来、最大の支援規模だ。

2月にはWFPの実行理事会の会議がある。私たちは北朝鮮政府とこれに関して議論し、寄付をする国家が北朝鮮に人道主義支援を続けるのかどうかについて決めるだろう。

今まで、北朝鮮政府の努力にもかかわらず、百万トン以上と推定される穀物の不足を解決することができなかった。食糧が不足している現象が続いているため、北朝鮮も人道主義支援の必要性を認めていると考える。

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また、子供たちを助けることがとても重要だと思う。北朝鮮の一部の地域では、多くの子供が栄養失調の症状を見せている。人道的食糧支援の水準を決める際に、北朝鮮の子供たちの現況を調査する必要があり、北朝鮮政府に協力を求めた。

もちろん、6ヶ国協議の進行の程度が、寄付をする国がどの程度の規模の支援をするかを決める際に、とても重要だろう。北朝鮮には既に、とても強力な後援者(韓国)がいる。アメリカや中国、ロシアも少なくない支援をしている。更なる支援規模は、6ヶ国協議の結果によって決まるだろう。

実行理事会以前に、北朝鮮と合意が成立することを期待している。

- 対北支援に対して寄付をする国々の反応はどうか?

アメリカは人道的食糧支援に対して苦心しているようだ。アメリカ側は6ヶ国協議をめぐる核問題と、政治的安保問題の結果を見守って決めるだろう。他の国も核問題の進行状況を慎重に見守るだろう。

その間、かなり多くの妊婦と子供が食糧の供給を受けることができずに、栄養失調で苦しむだろう。人道主義的食糧援助が続かなければならないのは明らかだ。

- 北朝鮮政府の態度はどうか? 国際社会の人道的支援に積極的か?

彼らは当然、WFPプログラムが提供する食糧支援を喜んでいる。しかし、私たちが6月以後も支援を続けることができるかどうかは、彼らの態度次第だろう。

最近進行中の対北救護復旧事業(PRRO)プログラムは、6月に中断する。私たちは北朝鮮政府の同意なしに、それ以上の食糧支援ができない。

より多くの支援を持続的に行うためには、北朝鮮政府の決断が必要だ。支援だけではなく、透明なモニタリングと現場の要員たちの自由な活動が保障されなければならない。

- 北朝鮮政府との交渉のために、本部の代表団が平壌訪問を希望していると聞いている。

現在、北朝鮮政府との関係はとてもよい。2007年夏の洪水で、私たちが活動できる郡が増えた。また、北朝鮮政府は私たちの食糧分配能力に対して信頼を持っている。そのため、今私たちが働いている郡でずっと働けるようにしてほしいという要求に同意するだろう。

だが、私たちには北朝鮮政府の更なる協力が必要だ。PRROを6月以後も続けて推進するためには、北朝鮮の全地域で食糧事情と食糧配分を観察して、モニタリングできる能力と活動の自由が必要だ。まだ論争の余地は多い。

- 透明性の問題が最大の障害のようだが?

一番難しい問題だ。透明性は効果的な人道主義食糧支援において決定的な問題だ。透明性が確保されなくては、食糧支援で寄付をする国の信頼を得ることができない。そのようになれば、財政的支援や食糧支援も中断するだろう。

2つ目に、支援が最も必要な人に、食糧が分配されるようにすることだ。そして彼らに食糧が分配されたのかを確認することだ。この部分について、北朝鮮ほど困難が大きな国はないだろう。

- 2008年の北朝鮮の食糧事情を見通すならば

去年の夏の洪水の被害による収穫高の減少を、非常に憂慮している。結果的に北朝鮮政府は、かつて彼らが買い受けた量よりも多くの食糧を輸入しなければならないだろう。だが、去年から国際的に米の価格と穀物の価格が上昇した。高まる中国の穀物需要度の影響も受けるだろう。

北朝鮮政府が去年よりも多くの国家予算を、食糧を購入するために使うかどうか、心配はある。人道的食糧支援システムを増加させる必要もある。

インタビュー/翻訳=デイリーNK国際チーム