今年も北朝鮮で大雨による水害が発生した。国際赤十字連盟によれば今回の梅雨による大雨で30人が死傷し、18人が失踪した。また4万5千人の避難民が発生し、汝矣島の面積の4倍に相当する1千ヘクタールの農耕地が浸水したとされる。平安道の安州市では清川江が氾濫し80%近くが浸水した。

昨年にも夏の集中豪雨と台風により223人が死亡し、594人の失踪者と負傷者が続出した。一般住宅の被害は5万6000世帯余り、避難民は23万人余り発生した。

北朝鮮当局は梅雨が本格化し始めた頃から浸水被害をするための事業を大々的に展開していると宣伝した。先月5日、北朝鮮の労働新聞は「農村経理部門で洪水と風雨による被害を徹底的に防ごう」という記事を通し防災対策を紹介した。

同紙は咸鏡南道金野郡で昨冬、川幅を2倍に拡張する工事を実施し、金野江にある発電所の堤防を利用して複数の河川の水位を調節できるようにしたと伝えた。また、平安南道文徳郡と平安北道雲田郡の協同農場では河川の堤防と排水路を整備したと紹介した。

脱北者らは北朝鮮のこうした措置にもかかわらず水害被害を根本的に防ぐのは難しいと口をそろえる。北朝鮮の水害発生は慢性的な経済難と食糧難などと密接な関連があるという。事実上、国家経済が破綻した北朝鮮が効果的な防災対策を立てておらず、住民や軍人などの労働力に依存した一時しのぎ的な対策のみ行っているとの指摘である。

また洪水及び山崩れを防ぐ効果がある北朝鮮の山林は、1990年代に始まった食糧難による住民の伐木及び山間地域での個人用の畑の開墾により荒廃化してしまった。北朝鮮当局の放置により山林の荒廃化は現在も進行中であり、今後も山林造成のための対策を立てない場合、水害被害はさらに増加するものと思われる。

北朝鮮の主要燃料である石炭を供給する鉱山への配給が中断されてからは、こうした山林の荒廃化に拍車がかかった。炭鉱工夫への食糧供給が減少したため石炭生産も減少した。これは都市住民の暖房及び炊事用燃料の不足へとつながった。終いには都市住民は周辺の山にのぼり木を切っては石炭燃料の代わりにした。市場では木を専門的に伐木し販売する商人も登場した。