2013年東アジア連盟(EAFF)サッカー選手権大会(東アジアカップ)で優勝した北朝鮮女子サッカー代表チームの選手らが金正恩と面談。全員が滝のような涙を流し号泣した。

EAFF2013team
金正恩氏を囲み号泣する女子サッカー代表チームの選手たち

金正恩は選手と監督の手を一人一人握り、戦勝節に優勝し人民に勝利の信心を抱かせたと賞賛したと労働新聞が1日、伝えた。選手らは金正恩の周りに集まり腕を組んでともに歩き涙を流し続けた。

選手らは金正恩に会えた感激を表現しようとしたものと見られるが、度が過ぎ慟哭するかのようだった。

北朝鮮の住民は金正恩に出会うとほとんどが似たような反応を示す。鷲づかみになって泣き万歳を唱える。こうした行動は老若男女を問わない。金日成が生前の頃、彼に会ったことで気絶した人もいるという。神の如く奉っているため神にでも会ったかのような錯覚に陥るという。

北朝鮮は涙も政治の一部である。2011年12月、金正日死去当時、住民らは一人残らず慟哭しなければならなかった。指導者が死んだために全国民が泣くことを強要されるのは北朝鮮が唯一であろう。泣かなければ思想的非難を受ける。北朝鮮の国営メディアは幼稚園の児童までを動員し泣かせる場面を演出。「父親を送ろうとしない子供達」というタイトルを付け放送した。

しかし金正日の死後、哀悼期間中にデイリーNKと通話した消息筋らは「放送に流れる様子とは異なり大多数の住民は平然としている。行事の時だけ泣けばいいという反応」と話した。実際、金正日の葬儀車両が平壌の通りを通過する際も、前列と後列の反応は異なっていた。

1994年の金日成の死亡時は長時間にわたり泣くことを強要したため、気絶する人が続出した。幸いにも哀悼期間中に大雨が降り、周辺の目をそれほど気にしなくてもよかったという。北朝鮮メディアは金日成の死去当時、日射病の症状で卒倒する人々に対し「首領様の逝去に余りにも衝撃を受け気絶する人が多かった」と伝えた。

金正日の発電所に対する現地指導に参加した経験がある脱北者のカン・チョルミン(仮名)氏は「金正日訪問の数日前から建設突撃隊員を集め組み分けをし、連鎖的に万歳を叫ぶよう練習させる。自動車から降りて音楽が流れ万歳を叫ぶや、瞬間的に感情が高まり涙が出た」と話した。

カン氏は「配給がないと不満を言いつつも、指導者が現れると涙を流し、再び陰では当局を非難するのが北朝鮮の現実」とし、その場の雰囲気に流され涙が出るだけであり敬慕の情があってではないと強調。さらに「今回の女子サッカー選手らは普段から厳しい訓練を受け大会で優勝したため、最高指導者がこれを激励したため感情がこみ上げたのだろう」と話した。

北朝鮮では金日成、金正日の哀悼行事や、金正恩が参加する1号行事の際に別途涙を流すよう指示することはない。その代わりその場の空気を呼んで行動せよと注意を促す。この「空気を読む」ということが激しい感情表現をするという意味で通用している。