水害関連の噂を流したら厳罰

北朝鮮で今月中旬から始まった大雨により、各地で被害が相次いでいる。金正恩氏の肝いりで建設が進められている馬息嶺(マシンリョン)スキー場での現場が、山崩れにより、崩壊した。

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流れ出した土砂で周辺農場の農作物が大きな被害を受けたとの話が、商人の口コミを通じて各地に拡散したが、当局はこれを遮断する動きに出ている。

両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)のデイリーNK内部情報筋は「最近に入り中央党から直接出向いた幹部が住民を対象に講演を実施することが多くなった。講演者は『(水害被害関連の)おかしな噂を流した者は強力な処罰を免れない』と力説している」と伝えた。

情報筋によれば、全国を回る行商によって江原道で最近発生した「馬息嶺スキー場」崩壊の情報が市場を通して拡散した。それを知った当局は、1週間も経たないうちに講演者を派遣した。金正恩氏が各種宣伝スローガンを通して強調してきた「馬息嶺スキー場」の崩壊の事実が住民に知れ渡ることを懸念し、内部の取り締まりに乗り出したと思われる。

情報筋は「市場では当局が学生を動員して復旧作業をしているとの情報まで流れている。住民は『元帥様(金正恩氏)の最初の事業から順調であるから今後も心配要らない』『馬息嶺速度さえ信じていれば全てがうまくいく』などと体制を皮肉る発言も見られる。

国境地域では保衛部が明け方から電話探知機が入ったカバンを背負ってパトロールするなど警戒を強化している。外国との通話中に突然調査を受けることもあり、住民らは行動に注意している」と話した。

イベント目白押し、水害復旧は後回し

北朝鮮当局は祖国解放戦争勝利記念日(戦勝節、7月27日)を控え、朝鮮民主女性同盟(女盟)、朝鮮職業総同盟(職盟)忠誠決議大会を開催するなど関連行事に集中するよう指示し、水害被害の復旧は後回しになっているという。

情報筋は「人民班では戦勝60周年に対する会議と準備点検のみを連日強調し、洪水対策と復旧の話は跡形もない。水害対策と言えば、明け方5時に呼び出され、宣伝板、スローガン板とモザイク壁画(金日成、金正日の姿を形象化した大型偶像化物)崩壊に備えた作業をするだけで、残りの時間は記念日の行事の準備に動員される」と話した。