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朝鮮戦争は金日成の緻密な軍事的準備とスターリンと毛沢東の同意を得て始まった戦争である。ソ連解体後、ロシアが韓国政府に提供した朝鮮戦争関連の外交文書が公開されて以来、北朝鮮による先制侵攻は否定できない歴史的事実となっている。

しかし北朝鮮は依然として6月25日は米帝国主義が侵略戦争を起こした日と規定している。北朝鮮は朝鮮戦争のことを祖国解放戦争と呼んでおり、米国による侵略を敗退させ停戦協定という降伏文書を締結させたと主張。これ以外の歴史解釈は北朝鮮には存在しない。

この日は北朝鮮全域で米国を「朝鮮戦争の挑発者、侵略者」と言及する反米行事が大々的に開催される。今年は特に3回目の核実験に伴う対北制裁の協力姿勢が強化され、米国を侵略の元凶と規定する反米宣伝がさらに勢いを増すものと思われる。

代表的な住民行事に米帝糾弾集会がある。ここでは「祖国解放戦争は米帝国主義を頭とする二庶Oの外勢侵略者と李承晩傀儡徒党の武力侵攻を阻止し勝利に導いた正義の戦争」と宣伝している。北朝鮮は停戦協定締結日の7月27日を祖国解放戦争勝利記念日、もしくは戦勝記念日と呼んでいる。

また、朝鮮戦争の際に米軍が北朝鮮地域で住民を無差別に虐殺したという詳しい内容と、米帝とひとつ空の下で生きることはできないという内容の糾弾文が朗読され討論が実施される。糾弾集会は時と場所を問わない。協同農場では畑の畝も会場となる。

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討論では主に米軍が戦争当時、数多くの住民を犠牲にしたと主張し、「現在も侵略の野望を抱いている」とするほか、米軍を「不倶戴天の敵、米帝山犬、悪鬼」などと表現。「無慈悲な懲罰」を警告している。参加した住民らには「米帝侵略者をこの地から永遠に消滅させよう」というスローガンを叫ばせる。

北朝鮮内部に外部情報が流入してはいるが、50年以上にわたり洗脳されたため朝鮮戦争に対する住民の認識は変わってない。北朝鮮当局の主張を大多数は信じる。

ある女性脱北者は「記録映画『祖国解放戦争』で戦争当時の画面が映し出され、ナレーションが『1950年6月25日は平和が漂う平凡な日曜日だった』と紹介する。『平和に満ち足りていたその日、米帝は侵略の野望で以って朝鮮で戦争を起こした』と語っており、住民はこれをそのまま信じている」と話した。

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糾弾集会は各郡に位置する「反米展示館」と連携して実施されることもある。 北朝鮮の代表的な反米教育場である信川博物館は集会がある日には訪問客で足の踏み場もない。同博物館は1963年まで黄海南道信川郡人民委員会所管の建物だったが、金日成の指示で朝鮮戦争勃発10周年となる年に「信川博物館」として開館した。

北朝鮮は米軍が信川郡を52日間占領し、郡全体人口の25%に相当する2万5000人余りの愛国者と罪のない人民を残忍な方法で虐殺したと主張。朝鮮総連機関紙の朝鮮新報は2008年、信川博物館についてし「米帝と階級的敵の野獣性と悪辣性、残忍性を迄Iする証拠物と愛国的人民の英雄的闘争を見せ付ける資料が発掘され展示されている」と紹介した。