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執権から2年が経つ金正恩はどのような治績作業に注力しているのだろうか。平壌に集中してはいるが10万戸の一般家庭建設、熙川(フィチョン)発電所建設などは何とか住民生活改善という宣伝が可能だった。しかし金正恩は富裕層や幹部らが楽しむ遊園地、プール、スキー場など大規模娯楽施設の建設に注力している。

北朝鮮の国営メディアはこうした娯楽施設建設により、住民らの余暇が増加するものと宣伝しているが、生活苦に苦しむ一般住民にとっては「絵に描いた餅」だと脱北者らは口を揃える。金正恩が一般住民の実情を考慮せず、見せかけの事業に執着しているといえる。

また住民の生活を実質的に改善する経済改革は短期間に可視的な成果を出すのが難しいだけに、「金正恩が住民の余暇生活向上に努力している」などと、宣伝しやすい娯楽施設の建設に注力するしかないとの指摘も出ている。

一部では住民の体制に向けた忠誠心を誘導するための金正恩式の治績作業が一部の特権層のみに該当しており、かえって住民の反発を呼び起こしかねないとの推測も出ている。スキー場建設と大規模ウォーターパークを利用することができない一般及び地方住民がこれをよく思うはずがない。

北朝鮮が最近、金正日時代の熙川発電所と関連し「熙川速度」という檄文を通して住民の体制動員を奨励したように、馬息嶺スキー場建設でも「馬息嶺速度」という檄文を発表し、住民にこれを見習うよう奨励している。しかし経済発展と関連のないスキー場建設により生まれた馬息嶺速度という檄文が住民の共感をどれほど得るかは疑問である。

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これと関連しある脱北者は「いくら治績事業といえども北朝鮮人民の生活と関連した電力難解決や経済改革関連の事業ではなく、豪華な娯楽施設建設事業を治績事業とするのは多少無理がある」と指摘した。

さらに同脱北者は「現在、平壌に建設中のムンスウォーターパークなどの娯楽施設建設に莫大な資金が投入されている。こうした資金を人民生活向上や経済建設に使わず、無駄なことに資金を浪費している」と付け加えた。

北朝鮮メディアは連日、このような金正恩の治績事業を紹介している。北朝鮮労働機関紙の労働新聞は18日、「馬息嶺速度の創造に向けた今日の大進軍で誇り高い勝利者となろう」というタイトルの記事で「全国に建設の大全盛期が展開されている今、ムンス地区に我が人民の文化情緒生活に積極的に貢献する世界レベルのムンスウォーターパークが新たに建設されている」と伝えた。

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同紙によれば、ムンスウォーターパークは超豪華な様相を呈している。野外及び室内プール、各種野外体育施設などで構成された大規模総合ウォーターレジャー施設で、10個余りのプールと温浴施設、食堂、便宜サービス施設などが付設する。

同紙は「(金正恩が)多忙ななかでもムンスウォーターパーク建設の状況を随時視察され貴重な教示を下された」とし、金正恩の同建設事業に対する関心を宣伝した。

金正恩はまた先月、江原道に建設中の馬息嶺スキー場を訪問、「勇敢さと敏捷性を育むスキー運動は専門選手だけでなく子供から大人まで皆が好むスポーツ。スキー場が建設されれば全国にスキーブームが起こるだろう」と話した。

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さらに4日には呼び掛け文を通し、「我が人民と青少年は馬息嶺スキー場で思う存分スキーを楽しみ体力を鍛錬させ、素晴らしい自然景観を観賞しながら生き甲斐と喜悦を感じる幸福のその日を思い描いている。『馬息嶺速度』を創造しスキー場建設を今年中に終わらせよう」と奨励した。

労働新聞は同日、「昼夜を問わず熾烈な戦闘を展開している軍人建設者のために施された敬愛する最高司令官同志の偉大な愛情と信頼にさらに鼓舞した軍人建設者は戦闘場ごとに『馬息嶺速度』創造の嵐を力強く巻き起こし、連日革新的成果を成し遂げている」と伝えた。

北朝鮮は昨年7月にも大規模遊戯施設のルンラ人民遊園地を開場させた。朝鮮中央通信は当時、「ルンラ人民遊園地が世界一流級の総合的な遊園地として整備されることで、世界に向け人民の最高の理想実現のために進む金正恩時代、我々式社会主義の真の姿がはっきりと誇示された」と宣伝した。

当時、金正恩は夫人の李雪主とともにルンラ人民遊園地の竣工式に参加。「世界で最高の我が人民、あらゆる試練を耐え抜き党に忠誠して仕えてきた我が人民が社会主義の富貴栄華を心行くまで享受させるのが党の意図」と話した。労働新聞は竣工式関連の写真を1面から5面まで掲載するなど大々的に宣伝した。