北朝鮮は13日、祖国平和統一委員会報道官の談話を通し「南北当局会談」中止の責任を韓国側に転嫁。当局会談に対し一抹の未練もないと述べた。南北関係の冷却期が長期化する可能性が懸念される。
北朝鮮は米中首脳会談を翌日に控えた6日、電撃的に「当局間対話」を提案してきた。しかし一部では国際社会の制裁から抜け出すために「南北対話」を選択したとの分析が出されている。
北朝鮮の期待とは裏腹に米中首脳会談では「朝鮮半島の非核化」に向け強力で共通の合意が成された。そのため北朝鮮が「南北対話」を行う動力を失い、韓国側首席代表の「格」を問題視し、会談を中止させたと指摘される。
現在のような局面で「南北当局会談」を再推進させることは容易ではない。当面は会談中止の責任をめぐり南北が「真相究明戦」を繰り広げることも十分にあり得る。
北朝鮮は現在の南北間の梗塞局面を「7.27戦勝記念日」まで維持させる可能性が高い。停戦協定60周年であるだけに国内的には反米ムードを高め、大々的な行事を通して体制引き締めを狙うことも考えられる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ただ、北朝鮮が「核・経済並行路線」を採択しているため、一定水準の経済成果を収めるために外部に目を向ける可能性もある。外交活動を通して現在の制裁局面を打開し、経済支援を獲得するために動き出すのではと推測される。
先月、北朝鮮が中国に核心エリートの崔龍海(チェ・リョンヘ)人民軍総政治局長を特使として派遣したほか、安倍総理の特使である飯島勲内閣参与の訪朝を受け入れたこともその延長線上にあると見える。
また、金桂冠(キム・ゲグァン)外務省第1副相が近日中に中国とロシアを訪問し、政府主要人士と面談するとの情報が伝えられることも同様の目的であると思われる。北朝鮮が中国とロシアに高位人士を派遣し、関係回復に積極的に乗り出す可能性が高い。南北対話ではなく6カ国協議が必要との論理を展開する可能性もある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面サムスン経済研究所のチェ・ミョンヘ主席研究委員はデイリーNKに「以前は挑発行為で緊張を高めたが、最近は局面転換のため(金桂冠の中露訪問など)外交的戦術を使おうとしている。北朝鮮の立場は変化がないが、外交的局面を転換させるため活発に動き出すのでは」と分析したうえで「対話のための動きというよりは外交的かく乱戦術で相手の立場を不利にするのが目的。相手が対話に応じるよう仕向けるためであり、中韓首脳会談前まで活発な動きを見せるのでは」と説明した。