人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

したがって、関心の焦点は新政府が“非核開放しなければ支援もなし”という原則を守ることができるかどうかだ。残念ながら、展望はそれほど明るくない。

第1に、北朝鮮は韓国の援助が生存のために必須だから、冷静かつ精巧、決死的に対南政策を展開する一方、韓国の北朝鮮に対する関心は“和解と包容が敵対と排斥よりよい”という感傷に基づいて、客観性と精密度がかなり落ちる。例えば、北朝鮮との関係を冷静に把握して実行しようとする場合、“冷戦勢力”という批判を聞くか、あらかじめ怖気づくことが多々ある。

第2に、この10年の太陽政策は‘南北イベント’のためなら、借しまず資金と物資を与えたため、目に見えた効果という側面では見どころが多かった。それは景気をよくするためにお金を大量に出すことと非常によく似ている。すなわち、太陽政策は基本的に国民の税金で、北に善意を施すことだから、非常に簡単な政策だ。こうした政策をできない人は、ただ良心的な人にすぎず、多くの国民がこのように“よいことはよいことだ”、“北朝鮮に対して頭を悩ませたくはない”と考えている。

第3に、新政府の対北政策立案者の思考に問題点がある。1月1日にKBSで放送したシンポジウムで、業務引継ぎ委員会の外交安保統一分科諮問委員であるナム・ソンEク教授が、“核実験がなかったら、(盧武鉉政権の)対北政策を修正する必要はない”と述べ、“新政府の対北政策は、アクション対アクションとして北朝鮮が核を廃棄する段階に向かうほど協調すること”と語った。

‘非核開放3000’という李明博政府の対北政策の立案に参加したというナム教授のこうした立場は新政府の立場なのか、彼の個人的な所見なのかは分からないが、この主張は第1に“北朝鮮が‘完全に’核廃棄をしなくても経済支援ができる”、第2に“北朝鮮が改革開放をしなくても経済支援ができる”という、変種の太陽政策を意味する。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

実際に、北朝鮮はウラン濃縮とシリアとの核連携を否定する一方、今まで生産されたプルトニウムを30キロ程度と少な目に申告することで、核廃棄をしたと取り繕ろうとする動きを見せている。一方で、北朝鮮は49歳以下の女性の市場での商売を禁止することで、北朝鮮の自生的市場経済を‘必要悪’と思っていることを明らかにした。また、今回の新年共同社説では、‘我々式社会主義’、‘自立的民族経済’を強調して、金日成の生誕100年にあたる2012年を強盛大国が開かれる年にすることで、社会主義経済体制への復帰の意図を明らかにした。

つまり、金正日は核を廃棄するという姿を取り繕うことで、外部からできるだけ多くの援助をもらい、破綻状態の‘社会主義経済体制’を復旧させようとしているのだ。すなわち、改革開放や市場経済への転換は考慮さえしていない。

新政府の対北政策はまだ不安定な状態であり、これは親北朝鮮左派政権が残した慣性によって不可避な側面もあるが、政策立案者の安易な態度も重要な要素になっている。金正日政権に北朝鮮のパラダイムを根本的に変えることを要求する人は、対北政策のパラダイムを変えることができるため、原則に対する鋼鉄のような信念を持っていなければならない。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

今切実に要求される対北政策の新パラダイムは、“北朝鮮が核を完全に廃棄せずに、改革開放もしない場合、そのまま滅びるようにほうっておくこと”であり、韓国と周辺国はあらかじめ、こうした場合に徹底的に備えなければならない。圧迫も支援も必要ない。ただ今すぐやるべきことは、北朝鮮の実状、北朝鮮の人権の実態をそのまま国民に知らせることであり、北朝鮮の人権団体が民間レベルで北朝鮮問題により深く介入できるように助けることだ。

だが、業務引継ぎ委員会のある諮問委員の旧態依然とした態度から見られるように、新政府の対北政策は下手をすると、再び変種の太陽政策に堕落し、ないよりも悪くなる可能性が濃厚だ。李明博氏は経済をいかすことだけに気を使っていてはならない。