北朝鮮の協同農場管理委員会が所有土地の一部を農場員でない者に貸し、収穫物の30%を回収する条件で一種の土地賃貸を行っている事実がデイリーNK内部消息筋を通し確認された。これは4月初めに発表された協同農場運営改善措置とは別次元のもので、協同農場の自主的な土地賃貸事業と思われると消息筋は伝えた。
平安北道の消息筋は5日、デイリーNKとの通話で「平安北道新義州の農場で(農場に所属しない)個人に農場所有の土地耕作を許可する事業が開始された。現在農場の土地を借りて耕作を行う予定の住民が待機中」と話した。
消息筋は「住民が農場から借りる土地の規模は無制限で、農業に投入可能な労働量測定基準に基づき賃貸する土地の面積が決定される。収穫物の合計を10とし7割は個人が、3割は農場が受け取ることが明示されている」と説明した。
住民がこのような方式の賃貸耕作を好む理由として、従来の農場分配方式と比較し個人に大いに有利になっているためである。従来はこのような余分の農場土地を工場企業所らが副業地として借り、収穫物の一部を労働者に分配する形式だった。しかし今回のように土地の貸付を受けた労働者が個別的な農業を行う場合、労力の程度により相当な収穫高をあげることが可能と予想される。
もちろんこのような賃貸土地は住民居住地域から遠く離れた場所にあり、土質による等級も低く工場企業所でさえ耕作を忌避するとの指摘があった。収穫量が期待以下だと土地を借りた個人が費やした労働分の収穫を手にできないこともありうる。しかし現地の消息筋たちは食糧難に苦しむ住民に強い労働動機を与え、収穫量を大幅に上昇させる狙いがあると見ている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面消息筋は「賃貸土地に農場が肥料と種子を提供すれば、該当の個人は秋の収穫以降、その土地に利子を付けて返す仕組み。こうした賃貸土地は個人の畑や山の小規模耕作地と比較しても広いという利点がある」と話した。
一方で消息筋は「労働者や学生による大規模農村支援の対象外であり、農機具も足りておらず個人の負担は大きい。その代わり畑を耕したり草抜きをする場合、一日100中国人民元(約18000ウォン)程度で牛を使用することができる。好条件の賃貸人は周辺の賃貸人と費用を分担して牛を使用し、互いに協力しながら費用を節約することもできる」と付け加えた。
咸鏡北道の消息筋も「協同農場で一部の土地を個人と企業に7対3の割合で貸し付けている。農場の土地を賃貸するのは企業よりも個人が多く、彼らの賃貸坪数は小さくて数薯リ、大きくて1500坪に至る」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面彼によれば、住民は「配給は期待できないためこうでもしないと食べていけない。土地を借りて個人が受け取る穀物量を増やすのが上策」という反応を見せているという。
一方、北朝鮮は今年4月1日、協同農場では分組を15人規模に縮小。各単位が計画量を超過達成する場合、追加の収穫物を保管して販売したり物々交換できるよう農場運営改善指針を下した。