中国共産党中央党校の機関紙である学習時報で副編審(編集及び審査担当)を務めていた?聿文(46) 氏は、北朝鮮が現在のように朝鮮半島の緊張状態を維持したまま新たな挑発行為を強行する場合、「(中国の)金正恩政権に対する信頼が再び回復することは難しい」と主張した。
(社)幸せな統一へ・新しい日を開く人々・(社)新文明政策研究院が21日、共同主催した「北朝鮮の核問題と中国の朝鮮半島政策」と題するシンポジウムに参加した?元委員は「(中国の)対北政策はさらに理性的に変化する。北朝鮮のために仲裁をしつつ一方(北朝鮮)の味方をする現象も減るだろう」と展望したうえで、北朝鮮の相次ぐ挑発行為は「中朝血盟関係の変化にまで発展する可能性もある」と主張。
?元委員は中朝関係を以前の状態に戻す方法は一つであると踏まえたうえで、「中国の外部安全環境が急激に悪化し、やむを得ず北朝鮮を利用するしかない条件が形成される時」と前提し、中国の知識層や指導部も朝鮮半島の非核化という大枠では同様の考えであると説明した。
?元委員は習近平国家主席が校長を務めていた中央党校の機関紙、学習時報の副編審として、2月と5月にイギリスの有力メディアであるファイナンシャルタイムズ(FT)に「中国は北朝鮮を捨てるべき」「革命しないならば中国共産党も革命の対象となりうる」という内容の記事を寄稿し話題となった。
また彼は昨年9月当時、胡錦濤国家主席と温家宝総理の10年にわたる執権期間を評価する「10の問題点」という記事を執筆し、停職処分を受けた。今年2月のFT寄稿後は職場から除籍されている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面?元委員は金正恩は誰よりも中国訪問を切望しているが、中国が受け入れず訪中が現在まで実現していないと話した。
彼は「金正恩が中国が勧告する核の放棄と正常国家への発展を拒む場合、中国は金正恩の訪問がいかなる意味も持たないと考えるだろう。国際社会で北朝鮮の『裏の保証人』役を買って出る格好になるおそれがあり、金正恩の国内統治にプラスに作用する可能性もあるため」と説明した。
また「明白なのは金正恩が中国を訪問する条件は核兵器放棄ではないということ。中国訪問を通し外部社会と北朝鮮内部に自身が中国の支持を受けていることを証明するのが狙い」と指摘。中国訪問を対内外的な危機克服手段として利用するという意味である。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面中国は北朝鮮が昨年「12・12」長距離ミサイル発射と今年の「2・12」第3次核実験を断行して以来、対北制裁に積極的な姿勢を見せている。これは最近に入り中国内に「一方的な支持を中断せよ」という世論が高まり、強大国として国際社会の役割を果たすべき状況に置かれているためと?元委員は説明した。
彼は中国の国連による対北制裁決議の履行が以前の曖昧な状態に比べ、より明確になったと強調した。?元委員は ▲中国の交通運輸部は国内の交通部に中国海域を往来する全ての北朝鮮船舶を徹底的に検査せよとの通報を下した点 ▲中国銀行は北朝鮮の対外貿易部の口座を凍結などを例に挙げ、中国が取った最も厳格で実質的な対北制裁だと評価した。
しかし?元委員は中国が独自的な対北制裁を行使したり、現在の制裁レベルを拡大するとは考えない。彼は「中国が現在実行中の対北制裁は全て国連制裁決議の範囲内にあり、中国は国連の2094号制裁決議を着実に実行しているだけで、制裁決議の範囲を超過していない」と説明した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また「もし中国が単独で制裁を行えば、北朝鮮指導部が誤解するのは間違いない。そうなると北朝鮮は中国を敵とみなすだろう。これは中国の指導者が望まない」と説明。中国の対北政策が依然として北朝鮮政権の保護と非核化の間に立っていることをうかがわせた。
?元委員は北朝鮮が改革・開放に乗り出す可能性は低いと展望する。彼は北朝鮮が正常国家になるためには、世界と断絶する鎖国政策から脱却すべきとし、「北朝鮮が核を放棄しない限り、改革・開放のための外部環境は造成されない。仮に金正恩が国の門戸を開放しようとしても致命的な危機を迎える可能性もある」とし、国「的な限界を指摘したうえで、「北朝鮮は長い間先軍政治を実行してきたうえ、膨大な軍隊を維持しており軍隊が最大の利益集団となっている。改革・開放が軍隊の利益を脅かしかねないため彼らの反対は避けられない。金正恩に対する軍隊の忠誠心も揺らぐだろうし、これは金正恩が改革を決定する際に考慮せずにはいられない。北朝鮮内部で大規模権力闘争が発生する場合、無条件で(現体制が)死線をさまようだろう。金正恩はこのような結果を看過せずにはいられないため、北朝鮮が改革開放を実施してもその規模は大きくないだろう」と話した。
討論に参加した国家安保戦略研究所のパク・ビョングァン研究委員は「中国の対北・朝鮮半島政策の核心は北朝鮮体制の安定であり、その次が朝鮮半島の非核化、最後が北朝鮮の非核化。中国は北朝鮮体制の安定と非核化の間で板ばさみになっている」と話した。
パク研究委員はさらに「現在まで中国は非核化も重要だが、北朝鮮の安定も重要であるため北朝鮮を見捨てられず『戦略的資産』として活用してきた。しかし北朝鮮が徐々に国際社会の問題児となり中国にとって害となりうると判断し、『戦略的負担』という認識に変化してきている、中国がどのような選択をするかが(対北政策変化の)注目すべきポイント」と説明した。