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北朝鮮当局が国境地域からの脱北防止と不純録画物(韓国ドラマなど)流入を防ぐため、旅行者に対する検問・検閲を強化しているという。

旅行証発給手続きも大幅に厳しくなった。約3ヶ月間の戦闘動員訓練により中断していた旅行証発給が最近再開されたが、同様の措置がとられたことにより旅行者の不満が高まっていると消息筋が伝えた。

咸鏡北道の消息筋は26日、デイリーNKとの通話で「21日から住民の旅行証明書発給が再開されたが、国境地域に移動する際の旅行証発給手続きが以前にまして厳しくなった。同地域の旅行証発給は該当分駐所(派出所)と保衛部、所属機関企業所のサイン以外に印鑑ももらう必要がある。旅行の理由が冠婚葬祭である場合は該当分駐所の確認書が必要」と伝えた。

さらに「以前は分駐所や保衛部の印鑑や冠婚葬祭の確認書は必要なかった。現在は旅行者を罪人のごとく扱い、各種証明書を出せという。また以前は賄賂を渡したり、知り合いの幹部がいれば旅行証の発給が容易だった」と付け加えた。

北朝鮮当局のこうした措置の背景に対し、消息筋は「当局は国境からの脱北や不法の外部録画物や聖書などの流入を防ぐため、国境警備だけでなく旅行者に対する取り締まりを強化した。最近では戦闘動員訓練を通し内部の緊張を維持してきた当局が、国境での不法行為を根絶するために同様の措置を下した模様」と説明した。

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彼によれば、一部の住民は地域の旅行証発給機関に以前よりも多くの賄賂を渡し旅行証を受け取っているという。旅行証があっても移動地域ごとに検問検閲が強化されており不都合が多いとされる。

消息筋は「賄賂を渡して旅行証の発給を受けても列車保安員と鉄道乗務検閲官による証明書検閲と手荷物検査が毎時間実施される。旅行者は『外国に出る税関検閲よりも厳しくしつこい』と不満を吐露している。茂山行き(9-10列車)と沙里院-羅津行き(113-114列車)は茂山と会寧の前駅である古茂山駅で、平壌-豆満江行き(7-8列車)は羅津の前駅である厚昌駅で毎時間ごとに停車し、軍人により厳重に封鎖された状態で集中的に身体及び手荷物検査が実施される。電子(金属)探知機を使った身体検査まで行う」と説明した。

列車を停止させ集中的に検閲する方式は、2011年の金正日の指示によるもの。消息筋は「不審者は直ちに連行され駅前の分駐所(派出所)で調査を受けた後、旅行証がなかったり荷物から不純物が発見されると集結所に送られる」と説明した。

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旅行者用集結所に送られた住民は旅行証を所持していない場合、居住地域の保安署の引率者が来るまで数週間抑留される。そのため抑留された住民は北朝鮮ウォンで5万ウォンから10万ウォンを渡して釈放されることが頻繁にあると消息筋は明かした。韓国ドラマなどを所持していることが発覚すると、内容によっては労働鍛錬隊や教化所に送られる。

消息筋は「住民の間では『小さい国土に歩哨所ばかりたくさんある。金稼ぎをするための小細工だ』と非難している。老人らは『日本植民地時代にもこれほどの統制はなかった。いつになったらなくなるのか』と取り締まり要員に対し暴言を吐く事例もある」と紹介した。