情報筋は「2025年第2四半期時点で、慈江道内の代表的な軍需工場5か所の生産実績が前年同時期に比べて平均14.9%減少したと把握されている。現場ではこの恐怖の雰囲気が長期化すれば、熟練人材の不足が蓄積され、軍需工業の生産目標に支障をきたす恐れがあるとの懸念も出ている」と語った。

慈江道の軍需工場にいる幹部や技術者の間では、むやみな処罰がかえって軍需生産現場の雰囲気を硬直させているとの声も上がっている。特に一部の技術者たちは「最近は技術的な創意性を発揮するよりも、保衛部にマークされないようにすることの方が大事だ」と語っているという。

「転換期正義ワーキンググループ」のプロファイラーで政治学博士のイ・スンジュ氏は、韓国デイリーNKの電話取材に対し「慈江道という場所は歴史的に忠誠心の高い住民が居住する地域であり、こうした強圧的な弾圧は珍しいことだ」と述べ、「これまで密かに広がっていた韓国文化の流入現象を一掃し、今後の不安定化を未然に抑制するために最高レベルの処罰を行ったと見られる。これは北朝鮮社会が韓国文化の流入を依然として深刻な脅威と見なしていることを示している」と分析した。

さらに彼は「今回の事例を通じて、金正恩体制の安定性を図る国家保衛省の地位がさらに強化されており、その背景には金正恩本人の強い意志が色濃く反映されていると見るべきだ」とし、「一般住民に対する人権侵害が構造的に持続している現状を踏まえ、韓国政府と国際社会による強力な監視と対応が切実に求められている」と強調した。