金日成と金正日の偶像化を目的に建設された、咸鏡北道茂山にある大型モザイク壁画が崩壊したと、複数の内部情報筋が17日伝えた。彼らによると、ずさん工事により建設されたことが原因。

壁画が強風にあおられ崩壊したという。北朝鮮で金日成、金正日の容貌を形象化した偶像化物が崩壊したのは初めて。

北朝鮮が先日、韓国の保守団体による金正恩の肖像画と関連したパフォーマンスを問題視し、朝鮮半島に戦争状態を造成させたと主張。政治的攻勢を強化しているが、皮肉にも自国内で「最高尊厳が毀損される事件」が発生。今後の北当局の対応に注目が集まる。

咸鏡北道茂山のデイリーNK情報筋は「太陽節前日の14日、茂山郡の中心に設置されていた金日成、金正日のモザイク壁画が突然崩壊した。脱北者の家族の犯行という噂が流れており、党中央と道党、道保衛部まで総動員で捜査に乗り出している」と伝えた。

また「今回崩壊したモザイク壁画は茂山駅前に設置され、高さ5m、幅8mに達する大型建造物だ。市内の中心に設置されていたため目撃した住民も多く、瞬く間に噂が広まり政治的な問題として提起される可能性もある」と付け加えた。

清津の情報筋も同様の事実を確認。「今回の事件は脱北者の家族による犯行との噂があるが、命の危険を冒してまで破壊する可能性は非常に低い。ずさん工事で設置されたため、強風に耐えられず崩壊したと思われる」と説明した。

情報筋によれば、2010年から全国的に建設が始まった金日成のモザイク壁画は、北朝鮮住民の忠誠資金と国家財政で建設された。2011年12月、金正日が死去し壁画には彼の姿も追加された。当時、茂山郡の壁画建設を担当した建設労働者らが利益を得るためセメントをはじめとする鉄鋼材などを横流しした結果、ずさん工事となったと消息筋は説明した。

清津の情報筋は「金日成、金正日将軍様の偶像化物であるため、一般建築物よりも頑丈に建設されなければならないのに、今回の崩壊事件により関連労働者が資材を横流ししたことが発覚した」と話した。「最高尊厳」である金氏親子の偶像化壁画が崩壊したことにより、関連する幹部への大々的な問責が予想されると消息筋は展望した。

さらに「2005年、清津市輸城川の橋入口の両側に設置された、長さ100mの超大型金正淑称賛スローガンが記された大型宣伝板が風で倒れる事件があった。当時、工事責任者が懲役処分となり、道党の宣伝副部長が解任されられるという問責があった。しかし今回の事件は金日成、金正日の姿が描かれた壁画であるため、事の重大性は極めて深刻。幹部の間ではすでに郡党宣伝部長と建設施工責任者に対する処罰が下されるとの話が出ている」と話した。北朝鮮で壁画は金日成・金正日の銅像と同様の扱いであるため、重大事件であるとの指摘だ。

壁画崩壊を目撃した住民の反応と関連し、情報筋は「『(壁画崩壊が)政治的問題となり複数の幹部が解任させられるだろう』という反応が大多数だが、一部の住民は『貴重な資材を浪費し至る所に建設していた。ちょうどよかった』と話している」と伝えた。

韓国統一部など韓国政府当局によれば、金正恩執権以降、北朝鮮は金日成・金正日の銅像(万寿台など計6箇所)制作に950万ドル、全国各地の凡そ400個に達するモザイク壁画制作に3千200万ドルを投入。金正恩の家系偶像化に計4千150万ドルがつぎ込まれたという。

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