‘北朝鮮が変わっている’
最近、北朝鮮国内で見られる個人商売、大規模な資産家の出現などの現象から、経済部門で‘変化の波’がおこっていると見られるという分析が出た。
国策研究機関である統一研究院が最近出版した‘北朝鮮が変わっている’という刊行物で、2002年の‘7・1経済管理改善措置’(以下7・1措置)以後、北朝鮮国内で起きている様々な変化を明らかにした。
北朝鮮は1990年代の経済難以後、配給制が滞り、国家中心の計画経済が崩壊する。北朝鮮の住民はこうした変化の中で‘お金の価値’を悟り、生活を経済的に立てる過程を学ぶようになったとこの本は分析している。
また、個人の経済活動が拡大し、相対的に社会の統制が弱まっている現象が増加し、党と集団よりは個人の実利を追求する方向に思考が変化していると説明している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面だが、体制の硬直性の問題が解決されなくては変化を試みることができる範囲が極めて限定的になるため、北朝鮮政府は経済改革について、根本的にジレンマを感じるしかないと指摘した。
以下、本で紹介された北朝鮮の主な変化を要約・整理した。
◆ 北の市場で働く’見えない手’ = イギリスのファイナンシャルタイムズは2005年の年初に、北朝鮮経済関連記事で、‘見えない手’が北朝鮮で作用し始めたと報道した。市場の出現である。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面7・1措置以後、農民市場を総合市場に改編するなど、市場経済のマインドが流通部門で一層拡散する変化が見られる。
市場で農産物だけではなく各種の工業製品も取り引きされるようになり、以前の‘農民市場’を専用の建物で常設運営する ‘総合市場’に切り替えた。
総合市場や通りの売台で個人の商業活動が許容され、大・中・小規模の商人が登場している。実利経済をうまく活用して商売の手腕の良い人は、個人的に財産を蓄積している。言い換えれば、利潤追求に基づいた西欧式合理主義が、北朝鮮の住民の生活にも深く根づき始めたのだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮が一歩遅れて始めた‘見えない手’の実験が成功するかどうかは、まだ判断しにくい。何よりも、体制の硬直性の問題が解決されなくては、見えない手が作用する範囲は極めて限定される。北朝鮮の経済改革と開放が有する根本的ジレンマがここにある。
◆ ‘労力英雄’が負け‘Two Job 族’が浮上 = 経済難が進み、集団主義的労働の意識が徐々に弛緩している。工場に行ってもやることがなく、賃金だけでは買うことができない状態になると、多くの北朝鮮の労働者は熱心に働くよりも副業や個人の商売に没頭するようになる。
脱北者たちによれば、7・1措置以降、本職よりもお金儲けになる、別の経済活動により熱心である‘Two Job 族’が急増しているという。社会主義的労力英雄になるよりも、個人の利益のために働こうとする風潮が拡散している。
集団主義的労働意識の弛緩は、職業に対する観念も変えた。例えば、エリート階層の場合、党・政務職よりは、外交官や対外事業の要員を、一般の住民の場合、食糧自給がよい農業や個人の収入が高い商業、副収入がよい商店の店員、運転手、写真技師、食糧配給所の記票員などのサービス職や漁業などを好むという。(続く)