北朝鮮の中・高強度の韓国に向けた挑発行為の可能性がいつにも増して高まるなか、米韓連合訓練(キー・リゾルブ)が終了する頃、東西海で同時多発的に挑発行為を強行する可能性が高いと北朝鮮軍高位幹部出身の脱北者が予測した。
北朝鮮軍幹部出身のキム・ヒョンサム(仮名)氏は12日、デイリーNKと面談。「北朝鮮は各軍部隊に戦争指針書(シナリオ)を定期的に配布する。指針書には米韓合同訓練が『準備段階→攻撃訓練段階→最終撤収段階』などの3段階に分けられると説明がある」と話した。
さらにキム氏は「そのうち最終段階の3段階(撤収段階)が北朝鮮軍にとって総攻撃段階に該当する。北朝鮮軍は米韓連合訓練が終了する21日を前後して奇襲挑発行為を強行する可能性が非常に高い」と説明した。
また「過去の事例を振り返ってみても、平均的に米韓訓練が終了する3段階の頃に北朝鮮は行動を起こしてきた。今回も米軍が撤収する3段階の時点で米韓軍の主要戦力に対する攻撃や、西海諸島などを狙った攻撃を加える可能性がある」と強調した。
挑発行為の形態については「延坪島砲撃のように西海NLL地域の5つの島に対する武力挑発の可能性が最も高い。北朝鮮の打撃隊が島を奇襲襲撃し占拠した後、撤収するというシナリオも可能。このような訓練を数十年繰り返してきているため、いつでも実践可能」と話した。彼はこのような変則的な挑発行為こそが、北朝鮮が主張する「第2、第3の強力な対応措置」であると予測した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面彼はさらに「偵察総局長の金英徹が最近大将に復職しており、忠誠心を示す次元で海上侵入や、偵察組による韓国沿岸の対象物に対する打撃活動も予想される。現在のように砲射撃に注意が集中している隙を狙った打撃戦術の可能性も排除できない」と強調した。
また「東海岸周辺に位置する原子力発電所をはじめ、化学物(有毒物)施設に対する爆破といった攻撃を加え、韓国内部の甚大な混乱を引き起こすこともありうる」と付け加えた。
キム氏によれば、偵察総局基地を自ら訪問した経験を元に「韓国のミサイル基地及び主要目標物の破壊を目的に3、4人で構成された偵察組80組余りが1つの大隊として運営されている。現在、5つの大隊、つまり計400組の偵察組が運営されている」と話した。彼らが海上基地の半潜水艇と小型潜水艇で韓国領海に侵入することもあると指摘する。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面キム氏はなかでも東西海上での同時多発的な軍事挑発の可能性を高く見込んだ。
キム氏は「現在、中・短距離ミサイルをはじめとする機動打撃手段が射撃陣地を占領しており、海軍艦艇も同地域に待機させている。これは同時多発的な挑発行為や軍事的局地挑発に発展することに備えた事前措置と思われる。砲射撃だけでなく主要対象物(原子力発電所、有毒性化学物貯蔵タンク)に対する同時多発的な攻撃が行われる可能性もある」と付け加えた。