朴槿恵政権発足後の初の対北メッセージに対する、北朝鮮の反応に関心が寄せられる。朴槿恵大統領が25日、就任式で北朝鮮の核開発に対して強く批判する一方、南北間の対話を言及し関係改善の余地をうかがわせた。

朴大統領は就任の挨拶で「最近行われた北朝鮮の核実験は、民族の生存と未来に対する挑戦であり、その最大の被害者は北朝鮮にほかならない。互いに対話し約束を守ってこそ信頼を築くことができる」とし、「朝鮮半島信頼プロセス」の進展を期待すると述べた。

執権期間中の対北政策の基本姿勢を示したものと思われ、このような対北政策の方向性について北朝鮮は当面は様子を伺う態度を見せる可能性が高い。

実際に北朝鮮は最近、韓国政府の大統領就任式後これといった反応を見せていない。北朝鮮は李明博政権が発足した2008年2月25日以降、しばらくは韓国政府を伺いつつ沈黙を守っていたが、同年4月、李明博前大統領を名指しし彼の対北政策公約である「非核開放3000」を非難した。

2003年の盧武鉉元大統領の就任演説に対しても自制の態度をとった後、約二ヵ月後の4月、北朝鮮の対韓国関係者が朝鮮新報とのインタビューで「盧武鉉政権の政策は米国の圧力に言いなりになっているような印象を与えることだけは事実である」と名指しで非難した。

1998年の金大中元大統領の就任の挨拶に対しては、四日後に労働新聞論評を通して「先任者とは異なる転換的な政策表明を示せず、民族に失望をもたらした」と迅速な反応を見せた。

朴大統領が就任演説で北朝鮮の核開発を批判し、「現在我々が置かれた安保状況が極めて深刻であるが、この状態にとどまることはできない」と述べたことも、北朝鮮当局が立場を定める上で頭を悩ます材料となるものと思われる。

朴大統領の言及が「先非核化」を掲げていた李明博政権とは異なり、状況に応じて北朝鮮の核問題解決と南北関係改善を並行するとの解釈も可能であることも、北朝鮮が即刻的な反応を見せない理由と思われる。朴大統領が「改革開放」などと北朝鮮体制の変化を直接的に言及していないことも、今後の南北関係を考慮したものとの解釈も可能だ。

李前大統領は就任演説で「北朝鮮が核を放棄し開放の道を選択すれば、南北協力に新しい地平が開かれる」と述べ、北朝鮮が敏感に反応する「開放」という単語を使用した。しかし朴大統領は北朝鮮体制を刺激しうる「改革開放」という表現を使用せず、また北朝鮮に対する姿勢をかなり低めたというのが一般的な評価である。

このように朴大統領の就任演説から慎重な姿勢がうかがわれるだけに、北朝鮮は当分の間は朴槿恵政権の追加的なメッセージと、核実験後の国際社会の制裁の動きなどに応じて反応を示すものと推測される。

北朝鮮は大統領選期間中は、朴大統領を「維新王女」「独裁者の娘」などの修飾語をつけて名指しで非難した。しかし当選後は公式メディアや機関を通しての名指しの批判は行っていない。

統一研究院のチェ・ジヌク専任研究委員はデイリーNKに「北朝鮮が以前政府に比べ朴槿恵政権に期待を持っている。核問題に対して言及した時のような強いトーンでの非難はしないだろうが、原則的な次元での反応は見せるのでは」と展望した。

韓国政府関係者は「従来の流れから判断し、即刻的な反応は見せないだろう。核実験による国際社会からの制裁の動きがあるため、核実験の状況が一段落した後、朴槿恵政権がどのような対話メッセージを送ってくるか当面は様子を伺う可能性が高い」と推測した。

北朝鮮は今まで核問題と南北関係を分離する戦術をとってきた。そんな中で核による国際社会の制裁に直面し、「資金源確保」がいつにもまして切実である。そのため朴槿恵政権に対話を模索するシグナルを送る可能性も排除できない。

特に6.15、10.4宣言履行のための議論と5.24措置の解除、金剛山観光の再開などの協議をもちかけ「平和攻勢」に乗り出す可能性もある。ある北朝鮮専門家は「新政府も人道的事案と核問題などを分離すると表明しているだけに、北朝鮮がこれを活用し対話再開を要求する可能性も排除できない」と話した。

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