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大統領職引継ぎ委員会は21日、朴槿恵政権の5大国政目標のひとつとして「幸福統一時代の基盤構築」を選定。北朝鮮の3回目の核実験以降、朝鮮半島の緊張局面が醸成されている中で、安保と国防態勢を優先的に強化し、米中韓の3カ国戦略対話を推進しながら北朝鮮の核問題を進展させていくとの計画を発表した。

同日、引継ぎ委が発表した「幸福統一時代の基盤構築」には ▲確実な安保と持続可能な平和の実現 ▲幸せな統一へと進む新しい朝鮮半島の実現 ▲国民とともに進める信頼外交の展開など3つの戦略と17つの課題が提案された。

引継ぎ委は「国民が信頼できる確固とした国防態勢確立」を優先事項として設定。北朝鮮が3回目の核実験を強行して以来、国際社会の制裁の動きに対抗し追加挑発行為を示唆している状況で、これを積極的に抑制することを最優先課題とする意思を示したものと解釈できる。

これは国家財政増加率を上回る国防予算増額決定からも確認できる。増額された国防予算で軍偵察衛星、高高度UAV(無人航空機)の電力化を通して監視能力を強化し「キルチェーン(Kill Chain)」を構築するとした。

北朝鮮の核問題解決に向けては国連安全保障理事会議長国としての地位を活用し、国際社会との協力強化国zを提示した。引継ぎ委は「北朝鮮核問題の進展に向けた動力を強化する」とした。

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これを実現させるため、南北間の実質的協議の推進で6者協議などの非核化交渉に動力を注入し、米中韓の.3カ国戦略対話を通じて国際社会の非核化に向けた努力を段階的に高めていく計画とされる。

一方、3カ国戦略対話で北朝鮮核問題のみを扱うのではなく、北朝鮮の改革開放を推し進める内容も含まれるべきとの主張も存在する。核実験など北朝鮮の挑発行為を中断させるためには、改革開放を通した北朝鮮の体制変化が優先される必要があるとの認識に基づくもの。

また、北朝鮮核問題の「解決」ではなく、「進展」として課題設定するのは余りにも消極的な目標ではないかとの指摘もある。ある政府関係者は「北朝鮮核問題の『解決』ではなく『進展』のための動力を強化するというのは、北朝鮮核問題の解決が困難であると最初から諦めているのと変わらない」と指摘した。

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南北関係の改善については短期的な抑止と安保を強化する一方、中長期的な関係正常化の意思が表明された。北朝鮮の核実験などの挑発行為を考慮し、「朝鮮半島信頼プロセス」を修正すべきとの声もあるが、大枠での原則は毀損しないという意思がうかがわれる。

これと同時に南北間の信頼を醸成するため、乳幼児や妊婦などの社会的弱者に対する人道的支援は政治・安保状況とは区分して実施する計画とした。また、北朝鮮の核状況の進展具合などを考慮しつつ、開城工業団地の国際化や経済・社会文化交流の促進を模索していくとの計画だ。

なかでも北朝鮮人権法制定を通し、北朝鮮の人権状況改善に向けた対内外環境を造成していくとの抱負が目に付く。引継ぎ委は民間団体・国際社会との協力を通して、北朝鮮住民の人権改善及び人道主義的協力を模索していくと強調した。

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以上のような引継ぎ委が発表した外交・統一・国防ビジョンに対し、国策研究所の某研究員はデイリーNKに「ミサイル発射と核実験により安保に対する重要性が高く反映された。米中韓の3カ国戦略対話案は北朝鮮の核問題解決に肯定的に作用すると思われる」と展望した。