北朝鮮当局は個人耕作地(山に開墾した小規模畑地)及び小規模耕作地関連の指示を1ヵ月余り過ぎた時点で取り消したうえで新たな指示を出し、住民が混乱していると内部消息筋が20日、伝えた。
デイリーNKは先月29日、北朝鮮当局が個人耕作地農業を禁止し、小規模耕作地の規模を30坪から10坪以下に制限すると指示したと報道した。しかし北朝鮮当局は最近に入り、個人所有の土地で農業を営むことは認めるが、生産された穀物の30%を国家に献上するよう指示を下したとされる。
両江道恵山の消息筋は同日、デイリーNKに「先月13日、個人所有の畑を10坪に制限し、残りは没収するという指示があったが、1ヵ月後に変更された。従来とおり個人耕作地(小規模耕作地及個人耕作地)を認め、生産された穀物の30%を納めるよう指示があった」と伝えた。
消息筋はさらに「小規模耕作地に苗木を植え管理するようにとの指示もあった」と付け加えた。前回の指示では小規模耕作地での農業が全面的に禁止されたが、これを修正し木を植え残った土地で農業を行い、一定量を納めれば農業を認めるとの指示に変更されたという。
また「当局の戦闘動員関連の各種統制と動員が実施されたことに続き、当局の指示が1ヵ月も経たないうちに変更され住民は混乱している。住民の間では『配給もろくにない状態で個人の畑で生産した穀物まで持っていかれたら来年は餓死するしかない』と不満を口にしている」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面消息筋は昨年一部地域で試験的に実施された経済管理改善措置の「6.28方針」が、これといった成果が見られず措置の拡大が実施されていないうえ、関連措置事項が随時変更されており、今年中の農業改革実現は難しいと展望した。
続けて「金正恩が住民の生活実態も把握しないまま指示を出しているため、年内に農業改革が軌道に乗るのは難しい。当局が秋に予想される生産量を推算するため土地調査を実施しており、住民はトウモロコシを栽培する畑を野菜畑だと言い、痩せた土地は最初から小規模耕作地に登録すらしていない」と伝えた。
土地調査と同時に参戦勇士及び各種勲章授与者に土地を分配するための実地調査も18日から始まった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面消息筋は「北朝鮮当局は18日から戦争参加者と社会功労者に50~150坪の土地を与えるための土地調査事業を行っている。土地が分配される対象者は少しでも多くの土地を得ようと関係幹部らに賄賂を渡している」と話した。
今まで参戦勇士や社会功労者に対し社会保障手当て等が実施されてこなかったため、このような措置がとられたものと思われる。北朝鮮は1980年代、参戦勇士や社会功労者に毎月18キロの米と1800ウォンの年金を渡す制度を採用したが、1990年中盤の苦難の行軍以降現在まで同制度は有名無実と化している。