家族の食い扶持が不足している現状で、家庭をほったらかして現場に向かえとは「家族を死なせろということなのか」というのが、彼女らの言い分だ。
「ある除隊軍人の女性は、『まだ手のかかる子どもと夫を義母に任せて、突撃隊に嘆願しろとは理不尽だ』として、同じ考えを持った女性たちとともに朝鮮労働党沙里院市委員会(市党)に申訴(意見書)を出した。しかしそれを受け取った市党から、むしろ党の方針に背いたと激しく批判された」市党は申訴を出した女性たちが反発した背景についての調査に入り、責任追及を行うと宣言した。これは、件の除隊軍人の女性と同調者たちを、政治犯として扱う可能性を示唆したものだ。そうなれば、彼女ら本人はもちろん、家族がどんな目に遭わされるかわからない。
(参考記事:「泣き叫ぶ妻子に村中が…」北朝鮮で最も”残酷な夜”)
もちろん、北朝鮮国民であれば誰でも、権力に抗うことのリスクを知っている。それでも敢えて彼女らがこうした行動に出たのは、文字通り「背に腹は代えられない」事情があったからだ。
