北朝鮮当局は年頭の新年辞で提示した課題の履行名目で、住民に各種国家納付事業を強要している。新年初日から「堆肥1トン収集」の課題に続き、最近では「クズ鉄集め」も強要しており、住民の税外負担が加重している。

咸鏡北道の消息筋は20日、デイリーNKに「1月1日の朝から堆肥納付課題が提示されたと思ったら、今度はクズ鉄回収戦闘を奨励している。工場企業所はもちろん、一般家庭の主婦や学生にも、1人当たり10キロ納付の課題が与えられた。人民班長は各家庭を回りながら「クズ鉄を出しなさい」と強要している。炊飯釜まで手放さざるを得ないほどで、多くの住民が不満を募らせている」と話した。

また、「世帯当たり1トンの堆肥納入が提示された時は、数万ウォンで堆肥を購入し何とかやりくりしたが、今度はクズ鉄回収が命じられ住民は苦難している。昨年よりも増加した税外負担で『人民の財布は国の濫?煬ノ』『人民の財布がないと国の運営が成り立たない』などと住民が不満を高めている。以前(金正日時代)よりも負担が増えたという批判もある」と現地の様子を伝えた。

北朝鮮ではクズ鉄1キロは500ウォン程度。10キロを購入するには1人当り5000ウォンは必要。4人家族の場合、2万ウォンが税外負担となる。

消息筋によれば、「貫徹課業」は各地域の人民班と学校はもちろん、工場企業所や政治組織(朝鮮職業総同盟、青年同盟、少年団)にも課せられる。北朝鮮当局は「新年辞課業貫徹」「愛国運動」などと美化し、課業貫徹の程度によって個人の思想を評価するため、住民は個人的に工面したり家財道具を売るなどして課業を達成するしかない。

このような過度のクズ鉄回収事業が、工場企業所の破産に追い討ちをかけていると消息筋は指摘した。蓄えのない極貧層の労働者たちが、工場企業所の機械付属品や鉄製品を盗んでは納入にあてがう事例が増えているという。

消息筋は「労働者が盗んで納入した鉄製品を工業幹部が、古金属(クズ鉄買収屋)事業所を回りながら再度回収する過程で、事業所幹部との争いが起こることもある。機械の付属品がなくなるため、工場企業所が正常に稼動できずにいる」と話した。

労働新聞は14日、「鋼鉄電線を支援」という記事で、平安北道の市党、市人民委員会の指導のもと、各級機関と工場企業所、洞、人民班の活動家、住民が熱心な愛国心で数百トンのクズ鉄を回収し、金属工場に送ったと伝えた。