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韓国社会で脱北者は時に犯罪の標的となる。社会主義社会で生活してきた脱北者が、資本主義社会に対する経験が皆無であることも原因だが、こうした彼らの弱点をついて意図的に接近する者がいるためである。

甘い誘惑や幻惑に乗せられ定着金を奪われたり、借金を負う脱北者が多いことは、各種マスコミを通して報道されている。昨年10月には、中国の不動産投資を謳ったねずみ講詐汲ノ脱北者の被害者が発生した。彼らは簡単に金を稼げるという誘惑に目がくらみ、契約書もないまま定着支援金と住宅担保ローンまでつぎ込んだ。

このような脱北者を対象にした犯罪が増加するや、政府レベルでも防止対策を立てているが、まだ力不足である。今年3月に西江大法学専門大学院(ロースクール)に入学予定のカン・リョン(35、江原道元山出身)氏は、脱北者が法の恩恵を受けられず、不利益を被ることに問題意識を感じ、ロースクールへの志願を決心したという。

カン氏は「脱北者が犯罪に露出されており、被害に遭うケースを多く見てきたため、弁護士になりたいと思うようになった。脱北者らを代弁することのできる人が必要だと考え、それを他でもない脱北者である自分がするべきだと思った」と話した。

カン氏の将来の夢は教育者だった。平壌にある金亨稷師範大学への入学を目指していたが、自由がない北朝鮮社会に次第に疑問を覚え、脱北を決心したという。2005年韓国に入国した。彼は教育者の夢を諦めず、2008年延世大学教育学科、そして同大学の修士・博士統合過程に進学した。

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カン氏は「大学院に在学中の2010年、米国シアトルに本部がある『新コリアに仕える人材学校』(NKSS)に講師として招待された。その時弁護士と出会い、法に関心を持つようになった」と話した。その後カン氏は法務法人ガンホのパク・チャヌン弁護士と知り合い法曹人になる夢を抱くようになった。

彼は「最近、韓国の自殺率が最も高いことがイシューになっているが、脱北者の割合は3倍にもなる。彼らの中には法の知識がなく、不合理を訴えつつも自ら命を絶つケースもある。このような人のために脱北者出身で法を正しく知る人物が必要」と話した。

また、彼は脱北者の後輩へのメッセージとして「厳しい環境でも自信を失わなければ誰でも夢を実現させることができる。後輩の中には優秀な学生がいるが、自信が足りないことが多い。その理由はマスコミで否定的な事例ばかりとり上げられ、多くの人が脱北者のことを適応できず悪さばかりするという先入観を持っているため」と話した。

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さらに「脱北大学生達は逆境を克服した潜在力がある人材。今は韓国の学生に比べると遅れているかもしれないが、ともに競争しているという考えで自信を持って一生懸命やれば不可能なことはない」と付け加えた。

カン・リョン氏は南北が統一された後の状況と関連し、「北朝鮮の人々は財産権に対する概念が弱く、統一される過程でこれと関連した問題が多発すると思われる。北朝鮮住民の立場から代弁できる弁護士になりたい」と語った。

一方、カン氏以外にもロースクールに在学中もしくは入学予定の脱北者は現在2人。2011年3月、慶北大ロースクールに入学した「脱北者1号ロースクール入学生」として知られるイ・ヨンス氏は現在、精力的に法学を学んでいるという。

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また韓国外国語大法学科を卒業し、今年3月、全北大ロースクールに入学予定のイ・サムシン氏(仮名、33)は、現在学費が足らず苦労していると伝えられる。