北朝鮮当局は最近、情報流出の遮断を強調する内容の住民向け講演会を頻繁に開催していると言われている。講演会では韓国メディアの北朝鮮内の情報と関連した記事を紹介し、情報流出に対する厳しい処罰を警告していると、複数の内部情報筋が伝えた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)のデイリーNK内部情報筋は「最近、北朝鮮の物価、会議内容、指示などを紹介した南朝鮮(韓国)の新聞内容を紹介し、国家機密流出に警戒心を高めよという内容の講演会が頻繁に開催されている。」「講演者は不純分子が市場の米の値段が上がると電話で情報を流し、翌日には南朝鮮の新聞に報道される。事実と異なる嘘の情報で社会主義の尊厳を毀損する行為と戦わなければならないと扇動している」と伝えた。

また講演会では「不純分子ははした金のために内部の情報を随時南朝鮮に伝えており、(これらの情報は)共和国を内部から瓦解させようとする敵の卑劣な宣伝に使用されている」「情報を売り渡し金稼ぎをする不純分子は人民の厳しい審判を受けることになるだろう」などと力説していると情報筋は説明した。

昨年、金正恩氏が国家安全保衛部(秘密警察)を訪問し、不純分子に対する捜査や資本主義風潮の遮断などを指示して以来、各市・郡の労働党などではこれに関連した講演会が頻繁に開催されている。

最近講演会に参加した平壌の情報筋も「講師は『南朝鮮の宣伝媒体が我々の社会主義制度を誹謗中傷する情報資料を収集するため血眼だ』『彼らは我々の美しい社会を分裂させようとデマを流している』と話していた」と伝えた。

また講演者は「北朝鮮の現実が不純分子によって歪曲され、南朝鮮及び米帝に流布されている。このような狡猾な心理作戦を展開する国よりも悪質なのが共和国を裏切ろうとする不純分子。彼らに残されたものは元帥様(金正恩氏)の愛と加護ではなく、鋼鉄の鉄槌が振りかざされるだけ」と警告したという。

北朝鮮は過去にも内部宣伝媒体などを通して韓国政府の北朝鮮政策を強く非難し、これを住民統制に活用してきた。また、金正恩体制を肯定的に評価する海外メディアの記事は積極的に掲載し、体制引き締めに利用してきた。

しかし、今回のように講演会などで韓国メディアの記事をそのまま引用し、情報流出の深刻性を強調したのは極めて異例的。内部情報の流出と外部情報の流入が、金正恩体制を維持する上で危険要素となると判断し、積極的に遮断に乗り出したものと思われる。

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