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昨年4月、慈江道の煕川発電所(目標発電量30万kW)完工後、平壌市の一般住宅に対する電気供給時間が一日平均2時間から5時間へと増加したが、11月以降、電力供給量が減り続け、最近では新型アパートが建設された倉田通りなどの中心区域を除いては以前の水準に逆戻りしているという。

北朝鮮は煕川発電所から平壌までの送電線を新たに設置するなど、周波数と電圧が安定した電力を平壌に供給するため多くの努力を費やした。しかし最近の電力事情は昨年序盤水準に逆戻りしており、煕川発電所の電力生産に重大な問題が発生したのではと疑問が提起されている。

煕川発電所は完工後、ずさん工事の疑惑が後を絶たない。煕川発電所の不具合が金正日に極度のストレスを与え、心筋梗塞を発症させたとの主張まで出たほどである。

平壌の消息筋は4日、「現在、平壌市寺洞区域や兄弟山区域は、昨年10月の時点では5時間以上電気が供給されていたが、今はほとんど供給されておらず暗闇の中で生活している。電気が来ない時は発電機を工場企業所に持って行き充電していたが、今では工場の電力も止められ代案がない状態」と話した。平壌市民までもが電気がない状態であり、厳しい寒さの中で途方にくれている。

消息筋は「一般家庭は暗闇に包まれている一方、中区域にある倉田通りと百貨店などは24時間明かりがついている。平壌中心部では運動センターや公園が増えたが、夕方は利用する人もいないのに電気が供給されており、住民の不満を買っている」と話した。

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これは北朝鮮当局が平壌中心区域の外観を華やかに見せるための展示用行政に重点を置いた結果である。また中央党幹部や芸術団員、富裕層が主に居住する倉田通りアパートの電力供給に対する不満は一種の貧富格差に対する強い反発を表したものと読み取れる。

消息筋は「平壌市の人民委員会では、一時的な問題による供給中断としているが、住民は極寒の中、電灯も暖房もない野生動物のような生活に不満を募らせている。平壌市の電力事情が悪化するや、住民は『煕川発電所が壊れてしまったのではないか』と話している」と伝えた。

平壌の住民は2012年強盛大国突入の象徴ともされる平壌市の10万世帯のアパート建設が急ピッチで推進され、ずさん工事が続出した事例を想起し、「(煕川発電所も)速度戦で建設されたため、長くは続かないと予想していた」との反応を見せている。

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煕川発電所は2009年3月、工事を開始し3年余り経った昨年4月5日に完工。この過程で金正日は2009年に二回、2010年に四回、2011年に二回の計8回建設現場を訪問し並々ならぬ愛着を示したが、結果的にずさん工事との汚名を負うこととなった。

これと関連し、北朝鮮で建設事業を指揮したことのある脱北者は、「当局はまともなセメント供給もない状態で無条件に『早く完成させることが優先』と言って担当幹部をせかすため、ずさん工事にならざるをえない。工事に動員される重装備もエンジンオイルや燃料が足りず、北朝鮮が開発した『自力更生油』を使用するため消耗が激しい。重装備が正常に稼動しないため工事に問題が発生するのは当然」と話した。