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最近の北朝鮮市場の好況の波に乗り、新規ビジネスの登場や収入獲得手段が進化していると伝えられる。原始的な農水産物を売る商行為から始まった北朝鮮住民の商売方式も、次第に消費者のニーズ(Needs)に合わせ商売スタイルが発展しているといえる。

北朝鮮が世界で最も閉鎖的な国であることは周知の事実である。住民の意識の変化を怖れる金王朝が、外部との接触を徹底的に遮断した結果である。しかしこのように閉鎖的な北朝鮮でも、市場を通した情報流通は統制できずにいる。市場で売られる商品は各種情報を含む。市場を通して北朝鮮に流入した韓国の映画やドラマを見た若者が韓国製商品を買い求めている。

1990年代中盤以降、北朝鮮の配給体系が崩壊してからは、住民のほとんどは市場を通して生活を維持してきた。当局による市場の統制にもかかわらず、数多くの商人はより多くの利益を残すために、多様なサービスを提供し、処罰を覚悟しつつ韓国の人気商品を売っている。

このような市場の新たな風景と新種ビジネスが内部消息筋によって次々に確認されている。特に最近では、北朝鮮での携帯電話使用人口が急増しており、関連ビジネスも新たに登場している。デイリーNKは最近入手した内部消息筋の情報を通して、2013年の北朝鮮における「新種ビジネス、上昇ビジネス」10種類を選定。2回に渡り紹介する。

?「数百km離れた市場まで…『配達式商売』の活性化」
北朝鮮では最近、購入した商品を自宅まで配達してくれる「配達式商売」が活性化している。数年前までは市場までの距離が離れていたり、居住地域の市場にない商品を購入する場合、住民は他地域の大規模市場まで足を運ばなければならなかった。しかし最近は必要な商品を配達してもらえる。

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例えば、黄海道の住民が数百キロ離れた両江道白岩地区の石製鍋が必要な場合、直接現地に行くのではなく、黄海道と両江道を往来する商売人に委託して商品を購入する。

北朝鮮住民は他地域に行くためには証明書が必要であり、証明書を希望する日時に発給してもらうには賄賂が必要。いざ証明書を発行してもらっても、旅費(交通費、食費など)も相当かかる。商品の値段よりも諸経費が高くつくため、このような配達サービスが好まれる。

以前は横流しされたり、約束の時間が守られないなどといったことが頻繁に発生したが、最近は各地域を移動する商人が増え、比較的迅速に欲しい商品を購入できると消息筋は伝える。このような委託購入は職場や企業所に勤務する会社員にはもってこいである。

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?「韓国ブームで『韓国アイドルダンス』講師人気」
今や韓国ブームは世界規模で拡散している。徹底した監視と統制が存在する北朝鮮も例外ではない。韓国歌謡に続き、ダンスにおいても古臭い北朝鮮式のダンスよりも資本主義スタイルのダンスを好む若者が増えている。北朝鮮当局の取り締まりにもかかわらず、急速に韓国ブームが拡散していると消息筋は伝える。

特に若者の間ではダンスが下手だといじめに遭うこともあり、裕福な家庭ではダンスの家庭教師を雇用するほど。韓国アイドルスターのダンスを習う若者が増えているという。

北朝鮮でダンスの個人レッスンをするのは、主に芸術分野に従事する芸術家や音楽教師。中にはダンスの才狽ェ秀でた一般人がレッスンをすることもある。一般的に都市部のダンス講師の一ヶ月の給料は米10キロが基準となる。最近の北朝鮮の米1キロの値段は7000ウォンであるため、一ヶ月に7万ウォン程度。一般労働者の月給(3000ウォン程度)と比較すると20倍以上である。

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?韓国ブーム、北朝鮮ファッションに変化もたらす…韓国雑誌でファッションを研究
韓国ブームが北朝鮮の若者のファッションにも新風を吹き込んでいる。市場では韓国製の服を買うことができないため、個人の仕立て屋が韓国スタイルで服を製作する。最新のスタイルを知るために、韓国の雑誌を入手するケースも増えている。

これは北朝鮮の衣類工場や生産設備が劣悪であることを裏付けている。市場を通して韓国映画やドラマが北朝鮮内部に拡散しており、このような韓国ファッションブームは今後も続くものと思われる。

両江道恵山の消息筋は「最近、韓国ファッションの図案やデザインが分かる本の需要が増加している。仕立て屋が流行している服を縫うために、危険を覚悟で韓国雑誌などを入手する。従来のスタイルやファッションは若者に受け入れられないため、多くの仕立て屋が韓国ファッションを学んでいる」と話した。

?衣類売り場の試着室・家電製品パンフレット登場
内部消息筋によれば、北朝鮮市場の顧客サービスが進化しているという。市場で衣類を販売する商人らは、以前は存在しなかった試着室を設置するサービスを提供している。80cmの小さな売り場で服が販売されるため、顧客は気に入った商品があっても試着できず目分量でサイズを選ばざるをえなかった。

そのため購入後、サイズが合わず交換したり返品することが多々あった。このような不都合を解消するため、仕切り板で試着室を作り、サービスの質を高めている。2、3人の商人が一つの試着室を共用し、顧客に使用させている。

また商品名を書いただけの広告で顧客誘致をしていた過去に代わり、最近では商品の説明と写真も印刷し顧客の消費を促している。一種の製品カタログといえる。市場が狭く商品を全て陳列することができないため、市場の入り口または周辺の個人の家庭や倉庫にTV、CDプレーヤー、録音機などの家電製品を保管しておく。(続編に続く)