北朝鮮で相変わらず、「韓流狩り」が猛威を振るっている。北東部・咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によれば、最近また、韓流取り締まりに引っかかった10代の少年少女3人が2カ月間の無報酬強制労働の刑を言い渡されたという。
北朝鮮でも、大人たちの間ではすでに、取締りを恐れて韓流ドラマなどを隠れて視聴する行為を自粛する雰囲気が強いとされる。以前はいくらかのワイロでもみ消してもらうのも難しくなかったが、最近では懲役、甚だしくは公開処刑などの重刑を避けられなくなっているからだ。
(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面)また大人たちに比べ、少年少女らはどうしても脇が甘くなる。かつての社会主義の統制が効いていた時代を知らず、かなり幼いときから、ひそかに流入した海外情報に触れていたせいもあるかもしれない。
中には、親が子どもを密告するケースすら見られる。
平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によれば、道内にある新陽(シニャン)輸出被服工場の会館で昨年夏、20代の女性従業員3人に対する思想闘争会議が開かれた。吊し上げ、人民裁判の類である。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面司会を務めた新陽郡安全部長(警察署長)は、3人が夜間勤務を終えた後、昼休みを利用して山菜採りに行くふりをし、実際は韓国ドラマ、映画、ミュージックビデオを見て、歌って踊っていたと、罪状を明らかにした。
(参考記事:「見てはいけない」ボロボロにされた女子大生に北朝鮮国民も衝撃)
部長は3人の「犯行」を通報した者にも言及したが、その名前が読み上げられるや、会場に衝撃が走った。3人のうちの1人の母親だったからだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面部長は、母親の行動を激賛した。
「腐りきった資本主義文化に心酔し、知らぬ間に堕落していた自分の娘と友人を生き返らせようと努めた母親リさんの功労を酌量する。リさんの行動は、反動思想文化排撃法第26条に基づく、最も模範的な事例である。」
同法第26条とは、次のようなものだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面第26条(家庭教養と統制)
親は家庭教養と統制を強化し、子どもたちが不純な出版宣伝物を視聴、流布する行為をしないようにしなければならない。
このような母親の行動は当然、北朝鮮社会においても人々の非難の対象になる。しかしどの国にも、いわゆる「世間の常識」とは違った考え方をする人がいるものだ。
また最近では、子どもが同法違反に問われた際、親きょうだいにも連座制が適用される事例が続出している。もしかしたら母親は、他の家族を救うため、やむを得ず娘を売ったのかもしれない。
いずれにせよ、非難されるべきなのは言うまでもなく、親子をそのきょうな境遇に追い詰めた、金正恩体制に他ならないのだ。