北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、国内の2つの郡で最近、朝鮮労働党の内規に違反する重大事件が発生したことを受けて、党中央委員会第8期第30回書記局拡大会議が27日に開かれたと報じた。会議で発言した金正恩総書記は「地方の権力乱用者、官僚主義者」による「許しがたい特大型の犯罪事件」であると断罪した。
同通信によれば、事件が発覚したのは南浦(ナムポ)市の温泉(オンチョン)郡と慈江道(チャガンド)の雩時(ウシ)郡。温泉郡では郡党委員会の幹部ら40人余りが規律に反して飲酒を伴う接待を受け、雩時郡では農業監察機関が、権限を悪用して人民の利益と財産を侵害したという。
拡大会議では温泉郡党委員会と雩時郡農業監察機関の解散、責任者らの処罰案が示された。
金正恩氏は、「今回の会議がわが党の創立80周年を迎える2025年の初頭に、党の紀綱の確立により注力すべき必要性を現実的に改めて自覚し、再定立する契機になる」と語ったという。