英紙ザ・タイムスは9日、ロシアに派兵された北朝鮮軍の兵士たちが、ウクライナ軍との戦闘の前線で「人間地雷探知機」として使われていると報じた。
同紙は、ウクライナの第33突撃大隊「ビッグキャッツ」の「レパード」と名乗る中佐の話として、「北朝鮮軍は『肉挽き機』戦略をとっている。ウクライナが地雷除去車両を使うのに対し、彼らはただ人間を使うだけだ」と伝えた。
(参考記事:【写真】「北朝鮮の不良弾薬が暴発し吹き飛ぶロシア兵」衝撃の瞬間)
同中佐によると、「彼らは互いに3~4メートルの間隔を置き、一列になって歩くだけだ。1人が吹き飛んだら、医療兵が後ろに回って死者を回収する。集団は次から次へと続きます。そうやって彼らは地雷原を突っ切っていく」という。
ロシアには現在、ウクライナ軍と戦うため1万2000人規模の北朝鮮軍が派兵されていると見られているが、ウクライナのゼレンスキー大統領によると、そのうち約4000人がすでに戦闘で死傷したと推定されるという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面レパード中佐の説明が本当で、今後も同じ戦法が取られ続けるなら、派兵された北朝鮮軍が「全滅」する日も遠くないかもしれない。
本欄で繰り返し述べているが、北朝鮮は、ロシアに送った兵士が1人たりとも生還することを望んでいない可能性すらある。
北朝鮮のロシア派兵が明らかになって間もなく、韓国在住の脱北男性であるチョン氏(仮名)は、韓国デイリーNKに対し次のように語っていた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「北朝鮮は、ロシアに派兵した軍人が戦場から1人でも生きて帰ってくることを望まないだろう。彼らが戻ってきて、国民に自分が経験した事実を伝えた場合、体制に対する否定的な世論が生じかねず、体制維持に役立たないからだ」と主張した。
たしかに、海外と情報をやり取りした人々に対する極刑執行が繰り返されている中、外国の情報に染まった多数の兵士を迎えるのは、北朝鮮当局にとって負担だろう。
(参考記事:北朝鮮女性を追いつめる「太さ7センチ」の残虐行為)とはいっても、金正恩総書記はロシアから得られる見返りを優先し、追加派兵に踏み切る可能性は高い。欧州で命を落とす北朝鮮兵がどれくらいになるか、現状では見当もつかない。