北朝鮮当局は金正恩の特別指示により、11月から一般住民の親戚訪問など私用による中国訪問を禁止していたことが明らかになった。来月の金正日死去1周忌(12.17)行事を控え、「規律引き締め」の一環と見られる。

平壌のデイリーNK内部情報筋によると、「11月から各地域の国家安全保衛部外事課で中国の親戚訪問用旅券の発給が全面中断された。10月までに旅券を受け取った人は中国に行けるが、将軍様の(金正日氏)追悼日までに帰国するという覚書を保衛部に提出しなければならない」と話した。

これについて情報筋は「金正恩元帥様の特別指示」だと説明。金正恩が「全党、全軍、全民が偉大なる領導者金正日同志の追悼大会を最善を尽くし準備しなければならない」とし、保衛部にこのような措置を直々に指示したという。

北朝鮮当局は国家的な主要行事に住民の動員が必要な際、決まって中国への訪問を一方的に中断してきた。金正恩が北朝鮮の後継者として公式に登場した、2010年9月の第3回党代表者会を前後し約2ヶ月間、一般住民の中国への旅行が禁止された。金正恩に関する情報流出を懸念しての措置だった。昨年の金日成の誕生日(4.15)、金正日が死亡した際も一般住民の中国旅行が統制された。

情報筋は今回下された中国旅行禁止措置が、状況によっては来年上半期まで延長される可能性もあると展望する。金正日死去1周忌追悼行事が終わっても、最大で数百名規模とされる中国内の未帰国旅行者が全員戻ってくるまでは、北朝鮮当局が新規の旅行承認を保留するかもしれないという。

北朝鮮は昨年、金正恩が公式に登場した後、親戚訪問のための旅行者に対する旅券発給手続きを強化した。中国の親戚から自筆の招待状と写真を送らせ、旅券発給申請書に添付させるなど、保衛部担当保衛員に賄賂を渡し「親戚訪問」と偽装する旅行者を検挙するための措置をとった。

▲北朝鮮の旅券発給手続き=中国内の親戚訪問を目的とする旅券は、各地域の居住地にある国家安全保衛部外事課に申請する。中国大使館を通して旅券申請者の親戚が実際に中国に住んでいるか確認をとった後、中国大使館が発給したビザが旅券に申請者に渡される。申請者は旅券を受け取った日から中国に行ける。