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2010年11月23日午後2時34分頃から約1時間の間、北朝鮮は延坪島に沿岸砲と曲射砲100発余りを発射する挑発行為を強行した。休戦以来、民間の村を標的にしたのは初めて。突然の砲撃で軍・民間で数叙シの死傷者を出したその日の惨劇は、延坪島に消すことの出来ない傷跡を残し「安保不感症」に警鐘を鳴らした。

北朝鮮による延坪島砲撃から2年が経過しようとする今、再び挑発行為に出るのではと懸念の声が後を絶たない。大統領選を控え、北朝鮮の「戦争勢力対平和勢力」といった南南葛藤誘発、西海の北方限界線(NLL)など、安保イシュー関連の議論が拡散している。

先日、李明博大統領は挑発行為の可能性に対し、徹底した備えを要請した。チョン・スンジョ合同参謀議長は13日、「最近敵の挑発行為能力と態勢は強化されており、挑発行為をほのめかす態度は単なる修辞的な次元ではない。いつにも増しその可能性は高い」と明言した。

関連兆候も続々と察知されている。金正恩政権は内部に「準戦時状態」に準ずる態勢を整えるよう指示した。国内外のメディアを通しては、「懲罰」「断罪」といった表現で戦争ムードを高めている。延坪島砲撃基地であるNLL周辺部隊の戦力増強も確認された。

このように韓国政府当局による挑発行為への対応態勢の強調と、北朝鮮による挑発行為を予告させる兆候により、「第2の延坪島挑発」の可能性に対し懸念が高まる。さらに北朝鮮政権の予測不可能な行動も危機感を倍増させている。

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しかしこれらの状態から「短期間内の挑発行為の可能性」を予測するのは非現実的である。実際、北朝鮮の最近の行動は国内向けとの観測が一般的である。戦争ムードを高めることで内部引き締めを図り、金正恩に対する忠誠心を誘導するための動きとして解釈するのが妥当である。

延坪島事件当時の国内外的な環境と比較しても、当面は現状維持との主張が有力と思われる。当時、北朝鮮の「11.23延坪島挑発行為」に対し、外交専門家の間では「米朝対話誘導」「冷え切った南北関係に対する不満」「NLL無力化」「金正恩後継体制強化」などに伴う行動との解釈がなされた。

事件当時、北朝鮮は「遠心分離機」稼動事実を表明し、ウラン濃縮プログラムを以って威嚇したが、米国など国際社会の反応が鈍いことを受け、対話ムードを造成するため挑発行為に出た。国際社会の関心を引き寄せるためであった。

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しかし現在の北朝鮮を巡る国際情勢は、挑発行為には否定的な状況である。新指導部を発足させた米中は、北朝鮮対策の新しい告}を練っている。このような時期に金正恩が挑発カードを引き出す可能性は低いと指摘される。

なかでも同盟国である中国が天安艦・延坪島事件後、米韓連合訓練が増加したことを歓迎しておらず、金正恩体制がこれ以上不安定な状況になることを望んでいない。

ただ、北方限界線無力化を試みる挑発行為の可能性はありうる。しかし現在の局面は与野党の大統領選候補者全てが「NLL守護」の意志を明らかにしており、韓国内世論も安保に敏感な状態である。北朝鮮もこの流れに乗じ、最近はNLL関連の扇動に消極的である。

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よって現状での挑発行為実行はかえって北朝鮮政策強硬論へ加勢することになる。大統領選の局面で「安保」イシューを先占した朴槿恵候補に有利となる可能性もある。また、野党の「太陽政策回帰論」に水を差すことにもなると指摘される。北朝鮮の反李明博・反セヌリ党扇動も力を失いかねない。

専門家らは来年初頭、北朝鮮が南北関係の再調整に乗り出す可能性が高いため、大統領選を控えた今、挑発行為に出る可能性は低いと展望する。金正恩体制が直面している社会規律の確立、経済難に伴う指導部への不信感解消など、内部の課題を考慮しても、軍事的挑発は有効ではないと思われる。

北朝鮮情報筋は「北朝鮮が経済難克服という目前の課題に総力を傾けなければいけない今の時期に、国際的孤立を招きうる状況を選択する可能性は低い。次期大統領選候補者全員が、南北関係改善と経済的支援拡大などを公言している状況で、挑発は「金づる」確保に悪影響を及ぼすだけ」と展望した。