人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮側休戦ラインで勤務する兵士の相次ぐ亡命事件後、「裏切り者捜索」というスローガンとともに、公安統治が強化されている。最近では、軍情報機関の保衛司令部が、中朝国境付近を担当する国境警備隊を対象に集中検閲を実施していることが7日、明らかになった。

中朝国境警備の任務は今年4月、人民武力部から国家安全保衛部に移管された。保衛司令部が国境警備を検閲するとなると、指揮体系上、軍保衛機関が社会保衛機関を検閲するという形になる。

咸鏡北道の消息筋は同日、デイリーNKとの通話で「最近、鴨緑江地域を担当する国境警備隊の将校1名と兵士2名が4人家族の脱北を援助し摘発された。この事件をきっかけに、保衛司令部から10名余りが派遣され警備隊巡回検閲が実施されている。検閲グループは金と引き換えに脱北、密輸、渡江を黙認する行為、勤務怠慢、麻薬流通行為などを集中的に取り締まる計画。不正行為が発生した部隊を皮切りに、国境警備隊全般に拡散すると思われる」と話した。

消息筋によれば、保衛司令部は検閲を開始し、各部隊に入党や進級などと引き換えに不正行為の通報を督励しているという。また処罰が軽いことを約束して自首も奨励している。

金正恩は権力継承後、国境警備隊の各種不法行為を防ぐため、指揮機関を人民武力部から保衛部に変更した。その後、一時的には脱北の数が減少したが、最近また増加している。渡江、密輸など全般的な不法行為を防止するには力不足だったようだ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

9月には恵山で20名余りの地域住民が集団脱北する事件が発生した。消息筋は「脱北事件が相次ぐや、保衛部に対するけん制が必要と判断したようだ。保衛司令部が保衛部をけん制する目的ではとの意見もある。保衛司令部の取調べは保衛部よりも数倍暴力的。相手は軍人だけに社会的関係を利用して許してもらうことも難しい」と話した。一度保衛司令部の捜査網に引っかかると逃げ出すのが難しいと、脱北軍人らは口を揃えて言う。

人民軍出身の脱北者は「部隊員の1人が保衛司令部に捕まれば、他の隊員も次々に連行されるのは時間の問題。処罰対象が倍となり、処罰も酷いのが保衛司令部検閲の特徴」と話した。