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北朝鮮公安当局は、最近に入り中国への私用(主に親戚訪問)訪問者の未帰国事例が増えたことを受け、国家安全保衛部員などで構成された逮捕隊を緊急派遣したと言う。50名余りで構成された逮捕隊は、私用訪問者がよく出入りする食堂や旅館を中心に、大々的な逮捕作戦を展開している。

消息筋は6日、デイリーNKに「親戚訪問のため中国に行った後、滞在期間が過ぎても北朝鮮に戻らない住民が最近増えている。そのため保衛部が逮捕隊を派遣したようだ。先月30日から50人の保衛部員で構成された逮捕隊が丹東と瀋陽地域に派遣されている。先週も瀋陽地域で北朝鮮住民4名が逮捕され送還された。私用訪問者の未帰国事例は今年に限ったことではないため、今回の派遣もその延長線ではあるが、最近はその数が増加したため、大規模逮捕隊が派遣されたようだ」と説明した。

別の消息筋も「現在、丹東では北朝鮮住民がよく行く旅館や食堂に行くと、今まで見たことのない服装の朝鮮人が集団でよく現れる。服装や行動からして今回派遣された保衛部員と思われる。食堂の主人たちも同じことを話している。私用訪問者のほとんどは北朝鮮で生活苦に苦しんでおり、中国に住む朝鮮族の親戚に助けを請うために中国に来る。しかし彼らの親戚たちも経済事情が良くないため、そう簡単には助けてもらえない。結局、お金を稼ぐために滞在期間を超過してしまうことが多い」と説明した。

また「国境地域の住民は1ヵ月滞在可能な渡江証を、内陸の住民は3ヶ月滞在可能な旅券を発給してもらい中国を訪問する。これらの証明書を作るのに大金をかけているだけに、空身で帰国しては損。滞在期間が過ぎても金稼ぎをするケースが多い」と強調した。

消息筋によれば、保衛部員は滞在期間が過ぎた私用訪問者に心当たりのない番号や、非通知設定で電話をかける。そして仕事を紹介すると言って、滞在先を聞いたり、特定の場所に来るよう誘引し逮捕する。

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また今年2月から中国政府が汽車乗車券の実名制を実施したことにより、ほとんどの私用訪問者が長距離移動時に市外バスを利用する点に目をつけ、2、3名ずつに分かれてバスターミナルで張り込みをしたり、実際にバスに乗ることもあるという。

今回の逮捕活動は、8日から開催される中国共産党第18回党大会を控え、中国が外国人の不法滞在を大々的に取り締まることへの協力の一面もあるものとされる。

消息筋は「中国は外国人の旅券携帯義務を強制し、ビザが切れたり申請を怠った外国人の摘発を行っている。現在、瀋陽と丹東駅周辺では中国公安が検問・捜査の度合いを強めており、北朝鮮の保衛部員もこのような取締りの雰囲気に便乗し、私用訪問者に対する逮捕活動を強化している」と話した。