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北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)亀城(クソン)市の朝鮮労働党委員会(市党)と人民委員会(市役所)は、年内に終えるべき建設工事、農作業などを解決するため、今月15日までに突撃隊を立ち上げる方針を示した。ところが、この話のせいで大騒ぎとなっている。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

市党が立ち上げを命じたのは市の幹部の家族からなる突撃隊だ。家族が率先して忠誠心を示せば、一般住民の見方も変わり、皆が共になって国家建設に邁進するだろうと、市党は理想を語った。

幹部たちが、この話を自宅に持ち帰ると、一斉に妻たちが反乱を起こした。

突撃隊というのは本来、建設工事をボランティアで行う部隊を指す。給料は全く出ず、食事も貧弱そのものだ。

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今回は地元での作業ということで、長期間テントで寝泊まりし、きつい労働を強いられる本格的な突撃隊と比べればやさしいものだが、それでも簡単には応じられない事情がある。

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「あなたが家族を食べさせていけるのなら、何の心配もなく突撃隊に行く」
「でも、私が商売しなければ明日からの生活はどうするの?」

幹部とは言え、もらえる給料は雀の涙ほど。何らかの許認可を扱う部署にいるのなら、市民からワイロを搾り取ることもできるだろうが、そんなうまみのあるポストがそうあるわけではない。市党責任書記、市人民委員会委員長という市のトップを除けば、ほとんどの幹部が苦しい生活を強いられている。

そのため、妻が市場で商売をして現金収入を得て、家計を支えているの。突撃隊に時間を取られれば、その分収入が減り、生活が苦しくなってしまう。

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それでも夫たちは「党の指示は絶対だ。突撃隊の登録だけでもしてくれなければ、幹部である私の顔に泥を塗ることになる」と説得を試みているようだ。

諦めて突撃隊への登録をする妻もいる一方で、病院で偽の診断書を書いてもらい、突撃隊参加を免除してもらおうとする妻もいるなど、空気は両極端だ。

医師にいくらかを包めば、病名などいくらでもでっち上げてくれるのだ。

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慌てふためく幹部たちを見た市民は「いい気味」だと笑っている。

「幹部たちは、家族を動員して働かす姿を上司に見せて、自分がいかに党と国家に忠誠を尽くしているかを見せて、中央から褒めてもらいたいのだろう。そうすれば、自分の顔も立つ。どうせ考えていることはそんなことだろう」(亀城市民)