北朝鮮の特殊部隊・暴風軍団(第11軍団)のロシア派兵の知らせを聞いた中朝国境地帯の北朝鮮住民らが、微妙な反応を見せているという。若い軍人たちが死地に連れて行かれたことに同情する向きがある一方で、コロナ禍での国境封鎖時に警備に動員され、悪辣に振る舞った彼らの姿を思い出しながら冷たく突き放す人々もいるようだ。
デイリーNKの現地情報筋によると、最近、中朝国境地帯ではロシア派兵のニュースが話題になっている。貿易関係者や国境警備隊を中心に「暴風軍団がロシアに戦いに行った」「戦場に投入され大勢死んだそうだ」などのうわさが広っているとのことだ。
これを受け、一帯の住民の中にはコロナ禍の出来事を思い出す人が多いようだ。ウイルス遮断を名目に国境封鎖に動員され、人間への実弾射撃まで躊躇しなかった暴風軍団によって大きな恐怖を感じた住民らは「容赦なく人も殺す殺人鬼部隊」「感情のない殺人機械」などと、暴風軍団に対する否定的な認識を示しているということだ。
(参考記事:「気絶、失禁する人が続出」北朝鮮、軍人虐殺の生々しい場面)情報筋は「暴風軍団を経験した国境地帯の住民らは、彼らが徹底的に『道具』として活用されているという点を知っている」とし、「ロシア派兵を知った人の中にも『どうせ弾除けだろ』と切って捨てる住民が多い」と話した。
そうかと思えば、何人かの住民は「ロシアの戦場でも略奪するのではないか」というブラックジョークを言ったりもする。暴風軍団がコロナ禍の時、地域住民たちの住居の戸口を釘付けしておいて、倉庫を荒らしていった事件を揶揄しての言葉だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面情報筋は「倉庫のキムチはもちろん、豚、犬、鶏まで盗んていった部隊に依然として否定的な認識が残っている」とし、「革命の軍隊が人民を略奪する軍隊になって久しいのだから、外国でも悪事を働くのではないかと皮肉る声が出ている」と話した。
(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為)
一方、住民の間では、ロシアに派遣された暴風軍団の軍人が、脱走や亡命などの離脱行為を選択する可能性も高いという観測も提起されている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面情報筋は「国境封鎖の時、住民たちと一緒に密輸に手を染めた暴風軍団の軍人も少なくなかった」とし、「これを記憶している住民たちは『彼らの軍紀はそれほど整っていない』『戦争の現実を少し知れば、どうすれば自分の得か悩むだろう』という話をしている」と現地の雰囲気を伝えた。