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大韓弁護士協会が15日発行した「2012北朝鮮人権白書」を総括した、北朝鮮人権小委員会のチョン・ハクジン委員長は、現在国会で保留中の北朝鮮人権法に対し「捜査権」を明示した条項が追加されるべきだと提言した。

現在、北朝鮮人権法と関連し計4つの法案が国会に提出されており、外交通商統一委員会にて保留中だ。セヌリ党のユン・サンヒョン、ファン・ジナ、チョ・ミョンチョル議員と先進統一党のイ・インジェ議員がそれぞれ代表で提出した。

提出された北朝鮮人権法案は、全て共通して北朝鮮人権侵害の実態を調査しデータベース化する機関(北朝鮮人権記録保存所・北朝鮮人権財団)の設立を主張している。その他に、対北人道支援、外交通商省傘下の北朝鮮人権特別大使職設置、北朝鮮人権実態に対する国民向け広報・教育政策などと関連した条項が盛り込まれている。ところがこれらの法案において、北朝鮮人権侵害事例を捜査する「捜査権」を規定した条項は見当たらない。捜査権なくして北朝鮮人権関連の犯罪者に対し、司法処理を行使できる証拠収集・採択は不可能である。法律上、捜査権があってはじめて犯行事実を具体化することができる。

特に人権犯罪は控訴時効が存在しないため、犯行に対する証拠資料さえ確保すれば、後日、人権犯罪者に対する処罰を施行することができる。チョン委員長によれば、捜査権により証拠が確保されれば、北朝鮮内の保衛部員など人権犯罪者が韓国に入国する場合、司法手続きに則り処罰可能である。

チョン委員長はデイリーNKとのインタビューで「捜査権が無い財団・研究院・NGOなどの団体が捜査・収集している北朝鮮人権侵害資料は、司法処理を行うための証拠資料としては採択が不可能。捜査機関によって収集された資料のみ採択可能なため、北朝鮮人権法案に捜査権を保障する条項が含まれるべき。北朝鮮人権財団や保存所など、設立された団体に捜査機関を別途設置しないと実効性は保障されないだろう」と主張した。

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北朝鮮人権犯罪者に対し司法処理が可能という点は、人権犯罪者らに今後起こりうる処罰に対する恐怖心を植えつけ、結果的に北朝鮮人権犯罪を減らすことにつながるとチョン委員長は訴える。

大韓弁護士協会が定期的に発刊している北朝鮮人権白書もまた、実効性のある北朝鮮人権法制定を促すための活動の1つといえよう。

チョン委員長は「17代国会では、戦後拉北者法令が可決された。18代国会では戦時拉北者に対する法令が可決された。今もなお北朝鮮では政治犯収容所・教化所などでむごたらしい惨状が発生している。19代国会では北朝鮮人権法が必ず可決されなければならない」と強調し、「米国・ヨーロッパ・日本などでは、毎年北朝鮮人権決議案が採択されているが、 韓国国会は決議案さえも採択していない。世界的な恥じだ。決議案が可決され北朝鮮人権法が制定されれば、北朝鮮内部の人権犯罪者に直接的な警鐘を鳴らすことができる」と指摘した。

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さらにチョン委員長は、北朝鮮人権法案が韓国に定着した脱北者と関連した内容をさらに補強すべきだと要請し、「韓国国籍を捨てヨーロッパや米国などに移民する脱北者がかなりいるものと把握している。韓国よりも多くの恩恵を望んで外国に行くのだが、これに対する具体的な対応法案も一緒に検討されるべき」と話した。

一方、大韓弁護士協会北朝鮮人権小委員会は、2006年から北朝鮮人権白書を隔年で発刊してきた。2012白書では2009年1月1日以降韓国に入国した脱北者のうち、最も最近入国した脱北者を選別、101人を対象に人権侵害事例を調査・研究した内容が収録されている。今回の白書では、北朝鮮人権侵害の温床と呼ばれる政治犯収容所での侵害事例の他、中国・ロシア国境付近の全巨里教化所などで発生した複数の類型の人権蹂躙実態を告発している。

チョン委員長は「6、7年間白書を発刊してきたが、今後は英文版だけでなくフランス語・スペイン語版も追加製作し、北朝鮮人権の実情をさらに広く知らしめることに重点を置く。また大衆と一体となった外部活動も展開する予定だ。韓国国内の弁護士は一万名を超えるが、人権実現のために活動する弁護士さえも北朝鮮の人権に対して関心が低い。今後積極的な活動を通して、他の弁護士達も北朝鮮人権問題に関心を持つよう努力していく」と語った。