北朝鮮・新義州(シニジュ)市の保安署(警察署)は今月13日、韓国と連携して活動した貿易会社の社長など、非社会主義の容疑者53人を公開逮捕したことがわかった。非社会主義とは、当局の考える社会主義にそぐわない行為を指し、その取り締まりは風紀取り締まりだ。

複数の内部情報筋によると、保安署は市の広場に数千人の市民を動員した上で、韓国と連携した者、売春、麻薬、韓国映画のCDの売買した者など53人を公開逮捕した、逮捕者のうち、女性が41人、男性は12人と、女性が大部分を占めたという。

公開逮捕とは、市民が見守る中で、連行されてきた犯罪の容疑者の目前で、保安署関係者が罪状を読み上げ、、保安署長がその場で逮捕命令を下すという群衆闘争だ。逮捕命令を下された容疑者は手錠をかけられて連行される。その様子を、動員された市民は目撃することを強いられ、恐怖に襲われるという一種の見せしめだ。

ある情報筋は「今回逮捕された人たちは、既に市の保安署に勾留されていたが、群衆闘争のために引き立てて、容疑を列挙した上で逮捕した」とし、「それを見た市民は工場や企業所の労働者や市場の商人など2000人を超えた」と述べた。

「逮捕された人のうち罪の重い人は、保安署での予審(警察の調査)が終わったら撃たれる(公開処刑)という噂もある。新義州の東洋貿易会社のチョン社長も処刑されるらしいが、見守らなければならない」(情報筋)

東洋貿易会社は、平壌の護衛総局傘下の外貨稼ぎ会社で、新義州に事務所を置いている。運営資金の調達と外貨稼ぎのためのフロント企業の一つだ。

チョン社長の容疑は、韓国の情報機関の情報機関と内通してきたというもの。カネを受け取って、韓国の離散家族を探すなどの役割を果たしてきたという。一方で、平壌の護衛局に毎年400〜500万ドルに達する収益計画を提出するほど、能力も認められてきたという。

別の情報筋によると、中国でチョン社長を支援する貿易業者が、彼を釈放する対価として100万ドルを支払うと、新義州の保安署に伝えたのことだ。それが功を奏したかどうかは今のところわからない。

今回の公開逮捕は、国境地域で蔓延している各種の非社会主義、不法行為を事前に防ぎ、国民の綱紀粛正を図るための措置と見られる。北朝鮮は今年に入り、貿易会社や税関の非理などを集中的に取り締まってきた。

対北朝鮮支援団体の「良き友」は先月発行の機関誌で、朝鮮綾羅(ルンラ)88貿易会社の咸鏡北道(ハムギョンブクト)延社(ヨンサ)郡の外貨稼ぎ事業所のオ・ムンヒョク社長が、郡内の眺めのいいところに別荘を建て、ベンツを自費で購入し、「これは将軍様(金正日氏)の思いやり」などとうそぶいて乗り回していたところを摘発され、7月中旬に公開処刑された、と伝えている。

(参考記事:北朝鮮の外貨稼ぎ関係者、違法行為で相次いで処刑

    関連記事