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北朝鮮の食糧難が深刻さを増し、国家安全保衛部(秘密警察)と人民保安部(警察)ですら食糧確保ができず、職員への配給が充分になされていないことがわかった。これは、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきたものだ。北朝鮮は、体制維持に直結する機関への配給を、最優先して行ってきた。

「全国のコメ価格(1キロ)は6500〜7000北朝鮮ウォンで、一般住民は食糧を買う余裕すらない。司法機関でも、先月に引き続き今月にも食糧供給がまともに行われなかった」(情報筋)

保衛部や保安部は、収獲が終わる11月ごろに、定められた協同農場から1ヶ月で2ヶ月分の食糧を確保することになっている。まずは3ヶ月から6ヶ月分の食糧を配給し、後の季節は1ヶ月毎に配給する。1年分の食糧を保管する場所と方法がないからだ。

ところが、昨年の作況が悪かったことに続き、今年は春の日照りに夏の洪水、台風が重なり、食料の確保ができなくなったというのだ。

トウモロコシの確保も困難か?

金正日総書記は、軍優先の先軍思想を掲げているため、軍を含む国家保衛機関への配給が途絶えることはなかった。首都平壌以外の保衛部・保安局や傘下機関では、白米3、雑穀7の割合で混ぜて配給されてきた。

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特に軍より保衛機関の配給を優先してきたが、その配給が中断されたことは、食糧難の深刻さの現れだ。さらに、当局が白米はもちろん、トウモロコシの確保に苦慮している模様だ。

国内の統制機関である保衛部と保安部は、北朝鮮体制を支える根本だが、配給中断で今後の内部統制システムに問題が発生する可能性があると情報筋は見ている。

食糧の収奪に怯える庶民

このような状況で、保衛機関員による住民からの収奪が増えることが懸念されている。彼らは、住民統制と収奪で自分の腹を満たそうとするかもしれないと心配する声が住民の間から上がっている。

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1990年代後半の食糧難「苦難の行軍」のころ、保衛部、保安部の要員とその家族たちの食糧問題を解決するために、取り締まりを強化したことがある。違法な商売、密輸食糧、商品などを様々な名目で押収した。これは、一般住民の食糧事情を悪化させた一因と見られている。