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教化所内外で行われている作業内容にも変化が生じた。

工事前、教化所ではニットなどのアパレル製品、つけまつげ、かつらの製造、野菜の栽培、畜産など、受刑者が外部に出て作業を行うことが多かったが、今では外部作業の人員は減らされ、教化所内部での作業が増えた。これは自立更生と脱走防止が目的だという。

なお、労働時間は1日12時間から10時間に減らされたが、その理由はわかっていない。また、施設の改善に伴い、スペースが増えたことで、収容人員が多少増やされた。

さて、新しい監房だが、セメントが乾いていない状態で入ることを強いられ、受刑者はビニールシート、布、服を床に敷いて寝ているが、朝起きれば湿気のせいで濡れているほどだという。

(参考記事:【脱北者インタビュー】性的虐待に「血の味」がする飯…脱北者収容所の内情

今回のような改修は今までも行われたことがあるが、人権状況の改善にはつながっていない。

(参考記事:「最初から使い捨て目的」北朝鮮収容所での”差別”なき虐待

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国自体が世界最悪の人権侵害状態にあると言われる北朝鮮において、拘禁施設の状況はさらに劣悪だ。ハード面での改善が行われても、看守による暴言、暴行、恣意的な処罰、処刑などが行われ、上述の通り、栄養や衛生状態にはほぼ改善が見られない。

管理所(政治犯収容所)の完全統制区域(一生釈放が許されない区域)に至っては、そもそもが「労働を通じた絶滅」という収容者の緩慢な処刑が行われているも同然で、人権も何もあったものではない。

教化所にせよ管理所にせよ、現地調査はまず不可能であり、出所者の証言や衛星写真を使ったモニタリングで状況を把握し、北朝鮮に「世界は見ている」という圧力をかけることが、改善を迫るほぼ唯一の方法だ。