中国政府が不法入国した外国人に対する取締りを強化する法を通過させたと、中国の新華社通信が1日報道した。同法には不法滞在者に対する取締り強化と、彼らを雇用した雇用主に対する処罰措置も含まれており、今後、在中脱北者だけでなく支援活動に対する統制も強化されると思われる。
中国政府は先月30日、第11次全国人民代舞蜑?}常務委員会27次会議を通し、「中華人民共和国国境出入管理法」を通過させた。同法は2013年7月1日から施行される。
同法によれば、就業ビザを持たずに不法入国した外国人の雇用主は1人当たり1万人民元の罰金を支払わなければならず、不法外国人雇用により発生した収入も押収される。また不法滞在者として摘発された外国人も5千~2万人民元相当の罰金や5~15日間の拘束に処される。不法滞在者を斡旋した人も1人当たり5千人民元の罰金が科せられる。
さらに外国人の不法出入国を援助した人も2千~1万人民元の罰金や10~15日間の拘束と5千~2万人民元の罰金刑が科され、これらの行為によって発生した収入も押収される。
脱北者の場合、自身だけでなく援助してくれた知人やブローカーも取締り対象となるため、同法案により脱北者の韓国入国がさらに困難となり、北朝鮮へ強制送還される割合が増加するものと展望される。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面韓国に身寄りのない脱北者のほとんどは、中国で不法滞在しながら韓国入国のための資金を稼ぐ。稼いだ資金はブローカーなどを通して韓国入国のために使用する。在中北朝鮮住民の中には、韓国に行く目的がなくとも金を稼ぐために旅券期間満了後も滞在する場合が多い。そのため脱北者をはじめ、在中北朝鮮住民も直接的な打撃を受けるものと思われる。
中国現地の事情に詳しい消息筋は2日、デイリーNKに「今回通過した法案は脱北者を特定したものではないが、ほとんどの脱北者が不法滞在者として潜伏しているため、結果的に脱北者取締り強化につながり脱北者支援活動も萎縮すると思われる」と話した。
さらに「最近、東北3省地域で身分証検査など抜き打ち検閲が強化されており、同地域の脱北者が取締り対象として逮捕されると強制送還されるようだ。脱北者支援活動をしている人も活動を抑えるのでは」と伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面他の消息筋は「以前にも不法滞在者雇用主に対する取締りはあったが、ほとんど形式的だった。今回の法が通過すれば、不法滞在者雇用と関連した人の連帯処罰が強化され、在中脱北者の状況がさらに悪化するのでは」と話した。