韓国政府は最近、北朝鮮による挑発行為の可能性が高まったとし、これに対する断固とした姿勢を見せている。米韓は過去最大規模の統合火力戦闘連合訓練を実施し、北朝鮮に向け厳重な警告メッセージを送った。

李明博大統領と金滉植総理は朝鮮戦争勃発62周年を迎え実施された、米韓連合訓練関連の行事で演説し、このような考えを表明した。北朝鮮が天安艦.延坪島事件のような挑発行為を今後も行う場合、断固対応するという意思を表明し、挑発行為を事前に防ごうとの狙いがあるものと解釈できる。

李大統領は23日、コロンビアでの朝鮮戦争参戦勇士招待懇談会で「我々は（北朝鮮の）いかなる挑発行為も許さない姿勢で、我々の力で国を守っている。我々の更なる目標は戦争を抑止し、朝鮮半島の平和を維持すること」と述べた。

金総理も22日、米韓連合訓練に参加し「北朝鮮が再度挑発行為をするなら、強力かつ断固処罰する」と述べた。また25日の「6.25戦争記念の辞」では「北朝鮮は天安艦爆沈と延坪島砲撃挑発行為に続き、最近も弾道ミサイル技術を利用してミサイルを発射するなど、依然として朝鮮半島の平和を脅かしている」と非難した。

さらに金総理は「政府と軍は戦闘型強軍育成に最善を尽くしている。敵のどんな挑発行為にも即時に断固対応できる完璧な態勢が整っている」と強調した。

政府内外では大統領選を控え、北朝鮮の挑発行為の可能性が高くなると判断。これを抑止するための毅然とした姿勢を見せるべきとの意見が支配的だという。そのため李大統領と金総理が過去に比べ、強力な対応意志を見せているとの分析だ。

金総理が米韓連合訓練参観後、「北朝鮮が最近も各種挑発行為で朝鮮半島の平和を脅かしている。我が軍はさらに強力な国防力を持たなければ」と要請したのも、このような脈絡から理解できる。

韓国安保問題研究所のキム・フィサン理事長は「最近に入り北朝鮮の対南威嚇の度合いが高まり、政府は北朝鮮による挑発行為の可能性が高まったと判断している。今までの北朝鮮の挑発に対する対応が不十分だったために北朝鮮が調子に乗った側面もあるため、政府は確実に処罰するというメッセージを送り、北朝鮮の挑発を抑止しようとしている」と説明した。

世宗研究所のホン・ヒョニク専任研究委員は「現在の南北間の状況は対話では解決が難しい。北朝鮮の脅威に対する安保を強化しなければと強調しているよう」と説明した。