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北朝鮮は金正日の死亡(12.17)によりスタートした、金正恩体制発足から6ヶ月目を迎える。金正恩は年齢の若さと経験不足のため、出発当初から少なからず不安を匂わせてきたが、権力内部での特別な異常兆候も見られず、表面上は何とか無事に権力継承作業が完了したとの評価だ。

食糧問題が金正恩の指導力の最大の見せ場

金正日の突然の死亡により、北朝鮮権力内部のどのグループからも金正恩以外の対案は望めなかった。指名済みの後継者が権力を継承することで当面は問題がなかった。金正恩は統治の安定化のため、ひとまずは先代の遺訓を引き継いだ。北朝鮮は1月、金正恩を心から崇め奉り、党の周りに一致団結して固く集結するという、金正日の「10.8遺訓」を公開した。

北朝鮮は金正日死後、光明星節制定、太陽像・永生塔及び騎馬銅像・大型銅像の除幕、金正日勲章制定、金正日に大元帥称号贈呈など、金正日死後の偶像化事業を強化した。一方で金正恩は現在、死んだ父親に頼ることなく食糧危機と開放、核問題を自ら解決しなければいけない状況にある。

金正恩は6ヶ月間の統治を通し、金正日とは異なる面も見せてくれた。その1つに人民のための慈愛深い指導者という点をアピールした。北朝鮮当局は追悼期間中、葬儀場周辺にボランティアを置き、医療所設置、お湯の販売など各種便宜施設を整え、金正恩による偉大な恩徳として見せ付けた。住民に直筆の手紙を送り、大げさにスキンシップをする姿も見せたりもした。金正恩にすがりつき涙を流す住民、軍人、子どもたちの姿は記憶に新しい。

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金正恩は平壌の万景台遊戯場を訪れ、歩道ブロックの隙間に生える雑草を自ら抜き、幹部らに対し「遊戯場がここまでひどいとは夢にも思わなかった。灯台下暗しとはまさにこのこと」と激怒し、官僚主義を批判する姿も見せた。

金正恩は4月、党中央委員会責任活動家を対象に行った談話を労作と規定し、大々的に宣伝した。彼はそこで「我々は人民の食べる問題、食糧問題を円満に解決しなければならない」と述べた。27日には国土管理事業を強調する談話を通して、土地整理と改良事業を行い田畑の地力を高めよとの指示を下した。

金正恩は6ヶ月の間、軍関連の仕事に多大な時間を費やした。金正日が後継授業で強調した軍重視路線を踏襲した。金正恩は新年早々「近衛ソウル柳京守第105戦車師団」を訪問した。9日には人民軍の金正恩に対する忠誠を誓う決意大会が開催された。金正恩は執権当月の1月の間、14回の公開活動のうち10回を軍関連の視察に当てた。

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金正恩時代、張成沢. 崔龍海による親戚体制強化

対南威嚇も強化された。年頭には東西海ミサイル司令部を訪問した。米韓合同軍事訓練のキーリゾルブ訓練開催中には板門店を訪問し「最上の撃動状態を維持せよ」と話した。北朝鮮は4月、15万名が参加する平壌市群集大会を開催する一方、朝鮮人民軍最高司令部の「特別作戦行動小組」による特別行動が間もなく開始され、3、4分以内に焦土化させると威嚇した。

しかし今年初め黄海道で発生した食糧難の状況と、最近の連続的な干ばつなどで、今年の食糧難事態がさらに深刻化する危機に瀕している。干ばつがひどくなれば、執権一年目からして幹部からの支持と民心獲得に失敗する可能性もある。

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北朝鮮専門家は「中国がどの程度介入するかによって解決の可能性も望めるが、食糧問題は金正恩が現在直面している最も大きな難題。食糧難を解決できない統治は、人民の不安を増大させることにつながる」と述べた。

4月11日に開催された第4次党代表者会では、民間人出身の崔龍海(チェ・リョンヘ)が昨年の大将称号授与に続き、軍の核心要職である総政治局長に任命された。金正恩は政治局常務委員と中央軍事委員委員長、最高人民会議で国防委員会第1委員長に推戴された。さらに崔龍海軍総政治局長と金元弘(キム・ウォノン)国家安全保衛部長、李明秀(リ・ミョンス)人民保安部長も国防委員会委員に選出された。

張成沢の健在と崔龍海の登場に対する専門家らの分析はまちまちであるが、金正恩がまだひとり立ちをするには無理があるという点では意見が一致する。

国策研究機関のとある議員は「信頼できる人物がいないため、民間人に軍服を着せ軍部の統制を要請した。既存の軍出身者が順応するかどうかが鍵」と述べた。軍内の権力序列変化をめぐり、反発が起こりうるとの指摘だ。彼は「むしろ政治的求心力が弱まった側面がある。金慶喜(キム・ギョンヒ)、張成沢、崔龍海などの親戚体系が強化されたのは、それだけ信頼できる人物がいない状況の浮黶vと述べた。

金正恩時代に入り世代交代といえる人事異動がなかった点も指摘される。彼は「一種の統治委任といえる。唯一指導体制の変化の可能性を予告するものとも解釈できる」と評価した。