北朝鮮で、しばらく小康状態にあった韓ドラへの取り締まりがまた始まった。
中国との国境に接する咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)で、最近になって再び韓流コンテンツに対する取り締まりが強化されている。その乱暴なやり方に市民からは不満の声が上がっている。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
先月中旬、韓流を取り締まる組織である82連合指揮部の各組織に対して、中央から反社会主義、非社会主義現象、中でも不純録画物の視聴を根絶やしにせよとの指示が下されたが、それに伴う取り締まりだとのことだ。
非社会主義グルパ(取り締まり班)は、市内の家を1日に2〜3回もいきなりやってきて、韓流ドラマ、映画、バラエティ、ミュージックビデオを見ていないか取り締まる。そのやり方はかなり乱暴なものだ。
「彼らは玄関ドアをノックし、すぐに開けなければドアを壊して入ってくる。彼らに対する住民も不満が高まっている」(情報筋)
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取り締まりの強化は、韓流コンテンツなどが大量に流通する事件が起きたか、それを買い求める人が増えているとの報告に基づくものと見られているが、正確には確認されていない。
(参考記事:「関ケ原の落ち武者との死闘」北朝鮮で”オカルト映画”大ヒットか)北朝鮮は2020年、反韓流法である反動思想文化排撃法を制定、厳しい取り締まりを行ってきた。14歳の中学生が、14年もの労働教化刑(懲役刑)に処されたとの情報もあれば、17歳の高校生が処刑されたとの話もある。
その様子を無理やり市民に見せることで恐怖心を煽り、韓流を根絶やしにするのが当局の目論見だったが、韓流コンテンツの中毒性には刃が立たないのが現状だ。
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いくら慣れているとは言え、取り締まりは不安感を煽るものだ。繰り返される抜き打ち検査に、子どもたちもこんなリアクションを示すようになった。
「最近では、2歳の子どもですら、誰かがノックすれば、口に手を当てて「シーッ」という話が市民の間で広がっている。市民は『子どもたちまでこんな世の中で暮らさなければならないなんて』とため息をついている」(情報筋)