最近国内に入国した脱北者たちが、北朝鮮では生きるための犯罪が日々増えていると口をそろえて言っている。
ある脱北者は“幹部たちは賄賂をもらうことに血眼になり、軍隊は盗賊の群れになった。自分の口を保つことだけ気にして、お金がない親戚は、私は知らないと言う世の中だ”と語った。
慢性化した北朝鮮の経済難の中で、北朝鮮の住民たちには道徳性喪失の現象さえ見られる。
政府の配給制が崩壊し、市場がその代わりになり、やっと食べる問題は解決された。市場の拡大は国家の統制を弱め、住民の生活力を高めたが、腐敗がはびこり‘お金さえあればできないことがない’という価値観を拡散させた。
法治が失墜して正常な市場経済が導入されず、手段と方法を選ばずにお金を儲けようとする風潮がはびこった。軍人やならず者たちが白昼堂々と通り過ぎるトラックを止めて、商人の品物を強奪する事件も沢山おきている。甚だしくはお金を儲けるために親戚を利用する人もいる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ソウル市のヤンチョン区に住むイ某氏は、最近韓国に入国した娘から、北朝鮮での生活を聞いて大変驚いたという。
イ氏は娘を親戚にあずけて先に北朝鮮を出た。韓国に到着したイ氏は娘の叔母に2年間で400万ウォンに達するお金を送金した。それ以外にも、叔母が‘子供を学校に行かせる’、‘コンピューターを買ってあげなければならない’という名目でお金を要求する度に、数叙怎Eォンのお金を送った。
だが、娘は北朝鮮で暮らしていた時、学校に近づくこともできなかったと言った。娘は毎日10キロ以上の品物を担いで数キロ以上も離れた市場を往復していた。コンピューターは韓国に来て初めて使ったと言った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面問題はこうした道徳の緩みが、一部に限らずに北朝鮮で非常に自然な生存方法になりつつあるということだ。対北朝鮮援助団体「良き友」は最近の機関誌で、“最近は親に捨てられた子供たちが増えている。両親が離婚して生活が困難なため、互いに世話ができないと言って捨てることが多いからだ”と伝えた。
北朝鮮国内で犯罪が横行するもう1つの要因は、腐敗した刑事処罰制度のためだ。北朝鮮では司法機関にわいろさえ与えれば、刑務所にいる囚人も出すことができると言うほどだ。これを阻むために中央党が、非社会主義グループという検閲隊を送るが、彼らもわいろで抱き込まれることがあまたある。
ある北朝鮮専門家は、“北朝鮮の住民の間で、金正日に対する信頼が失せ、お金が新しい偶像として取ってかわった”と述べ、“お金が偶像になった誤った価値観は、司法機関の腐敗と住民の道徳性の喪失として現われている”と指摘した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮の暴圧統治と慢性的な経済難が、北朝鮮の住民の人間性まで極端に追いたてているということだ。
北朝鮮政府は暴圧と統制で、各種の混乱と犯罪を阻むために苦労しているが、改革開放を通じた経済の回生と正常な市場経済の導入なしには、このような腐敗と犯罪、道徳性の崩壊現象を基本的にとり除くのは困難だ。
脱北者が国内に入国した後の適応に苦労している。北朝鮮のこのような状態が長期化すれば、住民は今後の統合の過程で、多くの対価を支払わなければならないかも知れない。改革開放を拒否する北朝鮮政権が、住民たちの手によって1日も早く民主化しなければならない理由がここにある。