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検査官は、事前通告なしに学校を訪れ、出席率を調べ、一部の児童、生徒を呼び出して、税金外の負担をいくら要求され、いくら払ったかなどを聞き出す。

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教師は、検査官がやって来ると、児童、生徒に向かって検査官に見えないところで、口で手を隠す動作をする。「何も言うな」と合図を送っているのだ。

そもそも、金品の供出要求は教師個人が出すわけではなく、国の命令に従って学校が教師に強いているものだ。しかし、新義州市教育部は、「教師が私腹を肥やすために税金外の負担を強いている」として抜き打ち検査を行っており、教師の間で不満が高まっている。

ただ、教師とて全くクリーンというわけではない。大幅な引き上げが行われたとはいえ、月給だけでは生活が成り立たないため、保護者に「お願い」、つまりワイロを要求するのだ。子どもを人質に取られた保護者は、泣く泣くお願いを聞き入れるという流れだ。

検査官も「手ぶら」で帰ることはない。検査が終わると、教師にタバコや現金を要求するのだ。教師は、その費用を保護者に「お願い」の形で転嫁する。

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「検査官も不正行為を行っている。今回の抜き打ち検査は一体何を誰のためにやっているのか問いただしたい」(教師)

学校のみならず、国営企業や国の機関でも、末端の教師や職員は、上司から金品の上納を求められる。その上司も、さらに上の人間から上納を求められているのだ。また、何らかの権限を持った人は、それを利用してワイロを受け取る。書類一枚出してもらうのにも、ワイロが必要といった具合だ。

上から下までワイロ、上納金、税金外の負担など様々な形で金品を要求されるのが北朝鮮の現状だ。元帥様(金正恩氏)は、そんな現状を打破したいようだが、これではまず無理だろう。