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北朝鮮の金正恩第1書記が、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の高級幹部14人を迫撃砲で処刑したとの情報が伝えられた。故金正日氏の追悼期間中に飲酒をしたり、女性スキャンダルを起こしたことが、金正恩氏の逆鱗に触れたためと思われる。

酒と女性スキャンダルで処刑

韓国の与党セヌリ党のユン・サンヒョン議員は、国内外の情報機関からの情報として、金正恩氏は政府、軍、党の幹部の行動を調査した後、1月に人民武力部のキム・チョル副部長を「飲酒、遊興」の容疑で銃殺した。それ以外にも軍の総参謀部の副総参謀長、軍団長など14人が、酒と女性スキャンダルで処刑された。

金正恩氏は、今年に入って31回も軍関連の公開活動を行うなど、軍に格別の愛情を注いでいる。訪問先では、兵士と肩を組み写真を撮るなどの「ふれあい」も行なうほどだ。不安定な体勢の状況を軍の結束を高めることで突破しようという意図があるものと思われる。それと同時に、恐怖心を植え付ける目的があったものと思われる。

また、権力の世襲に対する批判を抑えつける目的があると思われる。父・金正日氏より恐ろしいと思わせるために、迫撃砲が使われた可能性がある。また、当局は金正恩氏を「砲兵術に長けた人物」と宣伝していることとも関係があるだろう。

金正日氏が使っていた残忍な処刑方法とは次のようなものだ。

損傷した遺体を見て心臓発作

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柳敬(リュ・ギョン)国家安全保衛部副部長は昨年初め、高級幹部が見守る中で、99発の銃弾を撃ち込まれ残酷に処刑された。

(参考記事:北朝鮮幹部 今年すでに15人粛清…政敵の陰謀で家族も銃殺、権力内部は「一寸先は闇」

また、2007年には、ある外貨稼ぎ機関の職員が、90発の銃弾を撃ち込まれ処刑された。中国に木材輸出をしていたが、誤ってスローガンの書かれた木を伐採したというのがその理由だ。それも、全国各地から外貨稼ぎ機関の社長500人を、咸鏡北道(ハムギョンブクト)延社(ヨンサ)に集結させた上での処刑だった。

激しく損傷した遺体を見せつけられた人の中には、心臓発作を起こし病院に運ばれたり、数日間家に引きこもったりしたという。ある人は「こんな殺伐とした雰囲気では、貿易などできない、下手をすると私も死ぬかもしれない」と述べ、辞表を提出したという。

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北朝鮮の人々の間で「連射事件」と呼ばれているこの処刑について、その事情をよく知る元幹部の脱北者は次のように語った。

「北朝鮮では銃殺が頻繁に行われるため、人びとは感覚が鈍ってしまっている。そのため、恐怖を与えるためにわざと残酷な方法を使った。貿易に関連して違法行為を行えば、無慈悲に処刑するというみせしめだ」