北朝鮮の人々は、建国以来ずっと貧しくひもじいい生活を送っていたわけではない。1970年代前半までは、一人あたりのGDPで韓国を上回り、余裕があるほどではなくとも、それなりの暮らしが営めていた。また、金正恩政権が誕生した2010年代は、市場経済化の進展で、格差が拡大しつつも、底上げもされ、多くの人が少し余裕ができたと実感できるほど経済が発展した。
ところが、コロナ禍での国境封鎖、貿易停止、国内移動の統制強化で再び苦しい生活を強いられるようになり、コロナが明けても市場抑制策が強化され、多くの人が現金収入を得られず、苦境に追い込まれている。
(参考記事:「これでコメを買って」と盗品を差し出す子どもを前に泣き崩れる北朝鮮の親たち)