「防弾車?自分の命は惜しいのか」金正恩のロシア車自慢に国民反発

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ロシアのプーチン大統領からロシア製の高級車をプレゼントされた北朝鮮の金正恩総書記。外国の政治指導者からの「贈り物」報道は、金正恩氏の権威が海外でも高いと国内に示すためのものと言える。

しかし当然ながら、食糧難に苦しむ国民からは非難轟々だ。北朝鮮国内の世論について、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、現地住民の間で広まる噂と怨嗟の声を伝えている。例えばこういった具合だ。

「車の価格はトウモロコシで換算すると45万トンから50万トンになり、北朝鮮の人民全員の1カ月分の消費量に相当する」

件の車は、ロシア版ロールス・ロイスとも言われるアウルス社のセナートだ。重量が7トンもする防弾仕様の高級車で、価格は6000万円ほどだ。

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その裏で、北朝鮮の庶民は昨年の今ごろと比べても、さらに困窮の度合いを深めている。農民は食べるものがなく、畑に残った凍ったジャガイモを掘り出して食いつなぎ、町の通りではコチェビ(ホームレスやストリート・チルドレン)が目に見えて増えている。

「7歳くらいに見える男児が、妹らしき3歳の女児と共に、生ゴミを鉄の串でほじくって、食べられそうなものを選り分けて食べていた」(情報筋)

そんな正視に耐えないような光景が、毎日のように目撃されているという。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)では、朝鮮労働党機関紙・労働新聞の購読対象である幹部やその家族、労働党員を通じて、「高級車プレゼント」の話が庶民にまで広がり、激しい怒りを呼んでいると、現地の情報筋が伝えた。

「自分の命が惜しいからと防弾仕様の車を受け取り、飢えに苦しむ人民の命など眼中にないやつのどこが人民の指導者か」(現地住民の声)

(参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

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北朝鮮において、最高指導者の安全は何よりも優先されることだ。畏怖や尊敬の眼差しで見られていた故金日成主席や故金正日総書記なら当然のことと受け止められていただろうが、金正恩氏にはそれだけの威厳がない。ましてやその夫人や娘は言うまでもない。

見るからに高級そうな服を身につけて大衆の前に現われれば、庶民の反発を買うのは火を見るよりも明らかなのだが、その空気の読めなさで火に油を注いでいる。

多くの庶民は「一体いつになれば自分たちも他の国の人々のように豊かな暮らしができるようになるのか」と、食糧難に苦しむ身の上を嘆いていると情報筋は伝えた。